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カメレオンは大海を渡る―サイエンス・コラム110 (ハヤカワ文庫NF) カメレオンは大海を渡る―サイエンス・コラム110 (ハヤカワ文庫NF)
橋元 淳一郎 (2003/06)
早川書房
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評価:☆☆☆


 カメレオンの生態を知っている人はタイトルを見てぎょっとしたのではないだろうか。というのは、カメレオンは決して海を渡らないからだ。

 ちなみに私は知らなかったので何も思わなかった。

 私のことはさておき、なぜこんなタイトルが付いたのか。実は、マダガスカル原産のカメレオンがアフリカに渡ったのは、マダガスカルとアフリカが分離した後のことということが明らかになった。どうやってカメレオンが海を越えて繁殖地を見つけ出したのか、明らかになっていない。宇宙の果てだとか太古の昔だとかではなく、身近に不思議がいくらでも転がっているものである。

 本書は『ネイチャー』と『サイエンス』から興味深い話題を選び出したコラム集である。男女の美しさへの反応、ゾウとライオンの社会の違い、チョコホリックな脳の話などなど、科学に興味を持たない人でも楽しめそうな話題が盛りだくさんである。

 分野としてもバランスが取れていて、人類史や古生物学、宇宙論から素粒子物理学や惑星科学などから万遍なく選ばれているので、本書を読めば最近の科学でどんなことが研究されているか、雰囲気を感じられるのではないか。

 個人的に面白かったのはクジラに最も近縁な動物は、なんとカバとブタだという話。クジラは賢いから食べちゃダメなどとほざく人は、そのすぐ従兄弟のブタには何も言わないのだから、自分の見た印象によって殺して良い動物といけない動物を他人にも強制する野蛮人と言われても已むを得まい。科学は偏見を打ち破るのである。


 ただ、深く突っ込んだ話題を扱うにはコラム集というありかたは圧倒的に力不足である。なので、興味を持った分野については他にあたらないとダメだろう。
その他科学 | 2007/10/27(土) 22:13 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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