![]() | テレビの嘘を見破る (新潮新書) 今野 勉 (2004/10) 新潮社 この商品の詳細を見る |
評価:☆☆☆
私には役に立たない本。いや、別に人より判断力に優れているから騙されないと言いたいわけではありませんよ。テレビなんて見ないだけです。ついでに、テレビがやらないことは正しいことを言うことくらいだと思っていたりもするのだけど(生放送以外)。
さて、本書が扱っているのはドキュメンタリーにおける嘘の存在と、それにどう騙されないようにするか、ということである。ドキュメンタリーで嘘といえば、NHKの「奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン」がやはりかなりの紙幅を割いて解説されている。
そこで語られている内容は、そのほとんどがかなり突っ込んだものであり、一般人の意識とは随分乖離したところに在るように思う。もっとも、「奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン」への批判も今になって冷静に見返せば言いがかり的なものが少なからず存在することがわかるのだが。
たとえば、再現の問題。「奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン」では高山病になったスタッフが、治った後で高山病の演技をしたのがやらせとして糾弾された。しかし、視聴者の知りたいことが、事実の典型であるのならば、高山病で実際に苦しんだスタッフがその再現をすることは悪事には当たらないと考えて良いのではないか。
そもそも、生の現実を映したもののみに価値があるという偏狭な思考は、我々が何かを知るための機会を大幅に狭めることになるのは間違いがないだろう。であるからには、どれが赦されない捏造で、どれが赦される映像なのかについて冷静な判断を個人がしていくしかないように思う。
次にテレビを見るときには気をつけよう(それがいつになるかは分からないが)。
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