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奇想の20世紀 (NHKライブラリー) 奇想の20世紀 (NHKライブラリー)
荒俣 宏 (2004/01/18)
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評価:☆☆☆☆


 我々は20世紀に生きている。などと書くと、今は21世紀だ。そんなことも知らんのかとの呆れた声が聞こえてきそうだが、社会を形作った時代という意味ではまさに20世紀が今を決定付けているといって過言は無い。

 では20世紀とはどのような時代だったのか。飛行機が登場し、人類は月に立ち、世界中がネットワークでつながった。大量消費文化は爛熟を迎えたし、ピンナップが氾濫した。電灯は闇を駆逐し、都市には摩天楼が聳え立った。

 20世紀の100年はそれまでのあらゆる時代よりも早く、あらゆるものが変革を余儀なくされた時代だったのだ。このような世界を、誰が予想し、作り出したのか。

 本書は19世紀末から20世紀にかけて、世界を変えるだけの影響を持ったあらゆる分野の話題を取り上げている。なにせ著者は博覧強記を謳われる荒俣宏。ジャンルに限定されない知識を縦横に駆使するのに定評のある著者だからこそ出来る業だろう。

 20世紀を未来として予想した人々から、実際に文化、環境、芸術等、今では存在することが当たり前と思われるようになった多くの事柄が成立する過程を追っている。技術の次の章では芸術、文化、都市文明論と読者を飽きさせることなく次々と興味深い話が展開される様は将に好奇心を満足させるデパートのようなものである。

 明るく楽しい未来を作ろうとする熱意が20世紀の姿だったことが示されていると思う。確かに戦争や全体主義の横行が人類に多くの悲劇をもたらしたのは事実である。しかし、全体としては20世紀を作り出した人々の背後に無邪気な明るさがあったことは認めなければならない。そんな明るく楽しい未来を信じた多くの人々の物語でもある。きっと今も明るい未来を信じ、実現させようとする人々が沢山居て、彼らの成果がいつかまた世界を変えていくのかと思うと楽しみになる。
未分類 | 2007/07/11(水) 23:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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