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333冊目 昭和史七つの謎
昭和史七つの謎

保阪 正康〔著〕

講談社 (2003.1)

\600

評価:☆☆☆☆


 昭和の前半は戦争の連続だった。その最終幕は、終わらせ方を全く考えない暴走によって敗北への道をひた走ることになった。その最後の敗北の際に多くの文書を焼却してしまったことや、戦後のどさくさに紛れた不正行為が、この時代に多くの謎を残す原因となっている。

 本書が取り上げているのは、そんな昭和前半における7つの謎。それぞれの謎は以下のとおり。

1.日本の<文化大革命>は、なぜ起きたか?
2.真珠湾奇襲攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか?
3.戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
4.<東日本社会主義人民共和国>は、誕生しえたか?
5.なぜ陸軍の軍人だけが東京裁判で絞首刑になったか?
6.占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか?
7.M資金とは何をさし、それはどのような戦後の闇を継いでいるか?

 一つ目の「日本の<文化大革命>」とはまた変な響きがあるが、しかし正義や真実が一つしかないと確信して多様なありかたを排除したのは戦前の翼賛政治も文革も大きく違わない。もちろん、国内で発生した死者は段違いだが。

 冷静に議論を重ね、それぞれの正義を主張しあう。そんな、民主主義に必須の技能は、実は今も欠けている人が多いのではないか。議論はしばしば噛み合わず、人格攻撃に陥っていがみ合いへと堕す。今も、”日本の文革”への道は決して遠くないのかもしれない。

 真珠湾の奇襲攻撃での上陸作戦は、可能性を探る中で海軍の内部に深刻な意思の不統一があったことが示される。スパイ合戦としてかのゾルゲ事件を取り上げているが、情報戦に関しては当時より更に悲惨な状況なのを考えると複雑な思いに駆られる。情報の収集・分析は、平和な生活を送る上でも必須だと思うのだが。特に分析に当たる人々がどれほど居るのか、疑問に感じざるを得ない。

 <東日本社会主義人民共和国>は、スターリンが北方4島のみならず北海道までをも占領したいと望んだ事実に鑑みると無意味な過程ではない。しかし、トルーマンがそれを認めなかったために北海道は日本に残り、ドイツや朝鮮のような分断国家にはならなかった。その僥倖に感謝したい。なにせ、分断されていたなら私の両親は東側できっと粛清されていただろうから。

 そしてこの章に無視し得ない記述がある。それは、敗戦直後に日本政府が朝鮮・中国に居た多くの日本人を棄てようとした確かな証拠である。狙いとしてはソ連の指揮下に入ってアメリカと戦い続けようとする無謀なものの可能性が示唆されているが、これがシベリア抑留への布石となったとなると穏やかではない。

 レーニンが作り出した、無償の労働力なくしてまともな国家運営すらできない悲惨な国家はスターリンによって完成されたというべきか。そこに日本人が組み込まれる背景を、日本政府が作っていたとしたら悲惨の一言で到底片付けられない問題だ。

 それに続く5つ目の謎。東京裁判で死刑になった人々がどのように選ばれたかの論考が最も興味深かった。筋道だった論によって、恣意的な東京裁判の裏に、更なる政治的思惑があったことに気づかせてくれた。法律論だけの立場から東京裁判を非難しようという立場を超えることで、ある意味当然の復習劇として東京裁判が行われたことと、天皇訴追を見送ったからにはあのような結果になるのは当然と言うことがよく分かった。

 その他、反GHQの地下組織がなかったことの理由やM資金について、これまた冷静な論を進めている。多くの証拠を元に、冷静で客観的な記述に終始しているところが好ましい。いずれか一つの話題にでも興味を感じられたなら、手にとって損をすることはないと思う。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2007/06/14(木) 23:14 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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