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299冊目 複雑な世界、単純な法則
複雑な世界、単純な法則

マーク・ブキャナン著 / 阪本 芳久訳

草思社 (2005.3)

\2,310

評価:☆☆☆☆


  世界には60億人を超える人がいるというのに、たった6人を介せば全員が知り合いになるという話を聞いたことがないだろうか。実に不思議なことに感じられる。なにせ、市井の一ダメ人間である私が、世界最大のテロリスト(もちろん、某合衆国の大統領のことを指している)ともアラブの石油王ともオリンピック選手とも知人の知人の知人の知人の知人の知人の知人であるというのだ。

 なぜこんな不思議な事が成り立つのか。それを解き明かしたのがネットワークの科学である。

 これが人間にしか当てはまらないのだとしたら、それは科学ではなくてただの偶然かもしれない。正直に言うと、私も読み始めた段階ではかなり懐疑的であった。

 ところが、このネットワークの科学の観点からは人間関係だけではなく予想すらしなかった多くのことが共通項を持ってくるという。

 一例として、川の流路と流量の関係、インターネットのリンク構、感染症の広まり方、富の集中の仕方、何万匹もの蛍が同じ周期で明滅を繰り返すこと、脳が上手く働く理由などなどが挙げられている。この項目だけを見ても驚かれるのではなかろうか。

 全てを説明できる理論は、実は何も説明していないこともありうる。たとえば、神が世界を作ったという理論が当てはまる。なにせ、どんなことを持ち出しても「それが神が世界を作った証拠である」と言えばいい。それで説明したとしても他人を納得させられるかは不明だが。

 だが、ネットワークの科学は、この類のイカサマとは一線を画しているように感じられる。というのは、6人を介して世界中のほとんど全ての人々が知り合いのネットワークでつながるという事実は、純粋なシミュレートでも再現される。川の流路と流量は計測が可能だし、脳のネットワークもカウントできる。

 つながりを持つものが、カウントして見るとこれ程までに一致した構造を持つということは、そこには何か有利な点があると思って良い。

 インターネットのリンク構造などは、私も含めサイト持ちはてんで勝手に、自分の思惑だけで決めているはずだ。勿論、私以外のあらゆるサイト持ちが世界を牛耳る闇の政府だか宇宙人だかフリーメーソンだかユダヤの陰謀だかに強制されているという可能性もゼロではないだろうが、どんなに高くても1亥分の1も無いだろうから無視して差し支えない。各人が勝手に振舞いながら、それでも全体としてみれば一つのパターンに落ち着く、というのは実に面白い。

 タイトルの『複雑な世界、単純な法則』は、実に上手く内容を表しているといえる。世界の事象は、外から見たら実に複雑に組み合わされているように見えながら、外皮を剥いで見ると単純な法則によって成り立っていることが明示されているからだ。

 そういう意味で、まさに本書は科学の本である。大胆に細部を切り落とし、多くのことに共通する本質部分だけを追求している姿は、科学のあり方そのものだ。で、きっとそれだけだったら面白くない本になっていたのだろうけれども、決してそうはなっていない。ひとえに取り上げる例の巧妙さによると思う。なにせ、就職のコネはどんな人から与えられるものか、なんて科学のネタには見えないのだから。

 そう。例が面白いのが特長なのである。突然梅毒患者が増えたのはなぜかとか、アメリカで公式的に差別は撤廃されてもやはり黒人と白人が別れて暮らしている真の理由、クジラが減ったら魚は増えるのか、などなどと、読者が飽きないような話題が次から次へとやってくる。

 本書の凄みは、これらの話が“ただの面白い話”として取り上げられているわけではなく、全然関係が無いように見える事象が共通点を持っているという枕で述べていることだろう。しかも、枕の方がずっとボリュームがあるというオマケ付き。そんなわけで、ネットワーク科学の醍醐味を教えてくれる良書だと思う。
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数学 | 2007/04/07(土) 23:46 | Trackback:(1) | Comments:(4)

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夢と努力
 前にもちょっと書いたことがある友人が、遂に夢を叶えたとの嬉しい報せを貰った。

 彼とは大学で知り合った。私より一歳年長だけど、たぶん精神的にはもっとずっと上。おまけに大変な読書家で、博識で、豊かな教養をも持っていた。私だったら天狗になっているだろうに、彼は常に穏やかな語り口で、自分の意見をしっかり持ちながら相手に気遣う余裕のある人だった。

 親しく話をするようになったのは薬害エイズについてのことがきっかけだった。彼が医学の道をかつて志していたことなどを話していくうちに、本当にいろいろなことを話し合うようになった。政治や社会、医学のありかたなど、本当に広い範囲のことを。

 私は就職、彼は大学院に進むことになったが、そのときに驚くべき話を打ち明けてくれた。大学の友人の中では私が最初だったはずだ。夢が忘れられない。医者になりたいので、挑戦したい。彼が医者になれば、きっと多くの患者から慕われるようになるだろうと思ったから、私は応援すると言った。

 それから彼がどれほど努力をしたか、私は知らない。それでも、医学科に合格したことはすぐに教えてくれて、そして彼は遠くに去った。その後はごくたまに顔を合わせることができただけ。それでも彼は律儀に、結果が出たらすぐ国家試験を通ったことを知らせてくれた。

 私には、何かのためにそれほどまで努力した記憶がない。のらりくらりと生きてきてしまったダメ人間。一見真面目そうだ、という外見と口八丁だけで渡ってきてしまった。社会的な欲求より知的好奇心を優先させてきたから、生きていく上で何の役にも立たない、どうでも良い知識だけは溜め込んだが。

 夢を追いかけ叶えるために努力を惜しまなかった友人に、心から賛辞を。会える日が、とても楽しみである。
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雑記 | 2007/04/07(土) 00:52 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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