石渡 正佳著
WAVE出版 (2004.3)
\1,575
評価:☆☆☆
リサイクルといえば聞こえが良いし、なにやら環境保護にも役立っているような気もするし、良いこと尽くめのような錯覚に陥る。それが幻想に過ぎないことは『リサイクル幻想』で指摘されていて、非常にインパクトがあった。
本書は『リサイクル幻想』以降のリサイクル環境について現場の人が詳細にまとめたものである。
本書を読んでも、やはりリサイクルには実際の利益よりも幻想の方が遥かに大きいことが実感される。そんな体たらくになってしまっているのは、原理的にリサイクルが高コストだということと日本の人件費が高すぎてペイするのが難しいということに加え、政府のやる気がないことも大きな意味を持っていることが分かる。
一例を挙げれば、中古品の利用は環境負荷という点ではもっとも少ないのだが、GDPには結びつかないからという理由で無視されている。これでは何のためのリサイクルなのか分からない。もっと根本理念を見据え、目的を達成するための方法を論じなければ意味はない。
それに加え、中国の経済成長が日本のリサイクルにとって極めて大きな意味を持っていることにも驚かされる。そのからくりは本書を参考にしてもらうことにして、とにかく耳に心地よいリサイクルという言葉と、それに莫迦正直に従う我々の善意が、実は何の役にも立っていないことは記憶しておいて損はないだろう。
リサイクルの現状についてとても分かりやすくまとめられているし、我々が怒りを覚えなければならないことについても恐れることなく踏み込んでいる。このような本が続くことを願う。
なお、我々が怒るべきなのは、自動車のリサイクル費押し付けである。鉄くずの費用が下がったため、リサイクルコストを我々大衆に押し付けておきながら、今では鉄くずは活況を呈し、大きな利益を生んでいるという。我々はただ無駄にリサイクル費用を払い、そのカネはどこかに消える、というわけだ。たぶん、天下りした役人の懐に。これはもはや、リサイクルを使った恫喝だ。改められなければならないだろう。
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