マイケル・コニック著 / 真崎 義博訳
文芸春秋 (2002.1)
\750
評価:☆☆☆
宝くじが当たったらどうしよう。えーと、まず仕事は辞めるな。日中暇になるからと言う理由でなにか仕事をやるにしても、絶対今の仕事は辞める。そりゃあもう確実に。どれくらい確実かというとコーラを飲んだらげっぷが出るくらい確実じゃ。ほぼ断定。(断定ってどういう意味なのか分かってるのか?ニュースなんかで良く見聞きするけど)
そんな小市民な私にとっては一生縁のない世界が、現実にあるのだということを知り、かつ遠くから眺めるのは、それはそれで楽しい。1回十万ドルのポーカーに興じ、カードで数億の勝ち負けを繰り返す。ある者はその強さで伝説となり、ある者は浮沈の激しさで名を残す。
絢爛豪華なラスベガスという都市が、ギャンブルの収益で成り立っているのを見ても分かるとおり、胴元に勝つことはできない。と言っても、どんなやり方をしても絶対に勝てないと言うわけではなく、勝ったタイミングで勝負を止めてしまえば勝てる人もいる。つい熱くなって引き際を誤るだけの話で。
勝つ人も稀に存在するが、それでもやはり圧倒的多数の人々は負けているわけで、だからこそ稀な勝者の勝ちっぷりが伝説にまでなるのだろう。
本書にはその世界の有名人が陸続と登場する(とはいっても私はそのなかの誰一人として知らなかったが)。その伝説は面白くもあり、魅力的でもあるのだが、同時に心の中で敬遠する気分が生じるのもまた事実。私はカネが動くところにいるだけで生計を立てている人々に、人間的な魅力は感じることができなかった。ギャンブルとそれに関わる人々とを面白く紹介しようとしているのが目的なのであれば当然の結果かもしれないのだけど。
名前すら聞いたことのないゲームから誰もが知るブラックジャックやポーカー、ルーレット、競馬と様々なゲームについての確率論や、カジノ相手の詐欺行為にはうならされるし、非合法のスポーツトトカルチョに参加した人が支払いを渋ると奥さんに言いつけると脅す話のようにあちらのお国も奥さんとは強いものなのであるなぁと思わさせられるものもある。
ギャンブルはどうやってもなくならないのだろう。そこには人をひきつける圧倒的な魅力がある。だからラスベガスは存在できるし、日本ではパチンコや競馬が繁盛している。それが人の性だというのであれば、日本のように収奪にしか思えないほどの返還率しかないギャンブルは潰して、公営のカジノを作っても良いかもしれない。
そのようになっても、ここに登場する人々のように人生をギャンブルに費やすのではなくて、自分の裁量で使えるカネを、趣味に使ったと言える範囲で使う分には、十分に楽しめるのではなかろうか。ギャンブルそのものにあまり興味を持っていない私にもそれくらい思わせるくらい、ギャンブルに魅力があることは分かった。とは言っても、今後もずっと縁のない世界なんだろう。
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