吉田 信弥著
中央公論新社 (2006.8)
\861
評価:☆☆☆
交通事故について、どうすれば事故を防ぐことができるのかを科学的に追求しようとする意欲作。
事故、中でも死亡事故を中心に取り上げ、巻き込み事故減少の理由やエアバッグによる致死的事故の回避効果の有無、二輪車が昼間もライトを点灯することの是非など、導入前後の統計データを紹介している。それと同時に、事故を起こす心理についても言及することで、人間と機械という複合的な理由で起こる事故について上手く説明できていると思う。
また、事故をなくす方法を科学的に研究しようとするだけのことは有り、かなり丁寧に統計を駆使している。そのため、データの解釈にたとえ異論があったとしても、元データを見られるのでこちらにも検討の余地があるのが良い。
心理という点でも、国内外の事故心理学とでも言うようなジャンルについて述べられているので、事故の背後の心理についてどのような評価と取り組みがされているのかが分かるのが嬉しい。
ただ、読んでいて引き込まれるほどの面白さはない。文章の面白さや例の面白さでもっと違った結果になったと思うと残念である。
それでも、事故を減らすには何をすべきか、ということを真摯に追求していくにはこのような本が必要だろう。
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