坂田 俊文著
丸善 (1993.10)
\652
評価:☆☆☆
地球について広く浅く、分かっていることが記されている。といっても、地球のことだけしか書かれていないというわけではない。地球の特殊性を知るためには太陽系惑星についても知らなければならないし、地球にもっとも影響を与えている二つの天体、太陽と月についても語らねばならない。
たとえば悠久なる昔には月が今よりも遥かに近い軌道を回っていたこと(現在は38万キロ、昔は1万5000キロ)、常に地球には同じ面を向けていること、月から見た地球の姿など、を知れば月が地球に少なからぬ影響を与えていたことを実感できるだろう。
月がなかったら地球はどうなっていたか、ということについては『オンライン書店ビーケーワン:もしも月がなかったら』が詳しいので興味がある方は是非こちらを当たってもらいたい。
また、太陽の影響としてエネルギー収支の問題や太陽黒点などの話題が取り上げられている。天文学的な時間を感じさせてくれるのは、太陽中心にて水素が核融合してヘリウムになる際に発生した膨大な熱が太陽表面から宇宙に発散されるまで百万年単位の時間が必要であるというようなことか。
地球に目を転じると、陸地、海の実態や水、熱の循環、プレートテクトニクスなど、基本的なことが網羅されている。火山や氷河、地震に人間活動の影響と、身近ではなかなか感じられないことが実は我々の生活を左右しかねない巨大な動きにつながることが実感できるのではなかろうか。
科学に興味を持ち始める中学生や高校生にも難しいことはなく、簡単に理解でき、すらすら読めてしまう点ですばらしい入門書なのではなかろうか。地球科学に興味を持っていてもなにから読んだら良いのか分からない、という方にはまずこれを勧めたい。
惜しむらくは、私には既知の内容ばかりだったということだ。
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