鹿島 茂著
文芸春秋 (2005.5)
\1,700
評価:☆☆☆☆
所謂雑学本が嫌いだ。あたかも要素還元主義が如く、知識だけを切り出してきても全体の文脈を見失う。すると、面白さは激減してただの情報だけがそこに残される。知を楽しむには体系的にまとめられた情報、明晰な分析、そして独自の視点がなければならない。その上、文章も面白くなければ。
本書はそんな過大ともいえる要求を全て叶えている。膨大な知識を駆使したこのエッセイを読むと、次から次へと目から鱗が落ち、小説や歴史に興味が沸く。
秋葉原事情や日本における制服への憧れの起源(コスプレという話だと、どうしてもcomplex fraction:COLUMN(コスプレ好きなブルガリア人)を思い出してしまう)のようなことから西洋におけるロウソク文化の複雑さなどの文化論まで話題が非常に多岐にわたる。そして、その一つの話題ごとに豊富な実例を面白く紹介してくれているのだから、これはもう読まないのがもったいないくらい。
本書を読んだおかげで同じ著者の他の本も読んでみたくなってしまった。また積読の山が高くなりそうな予感。
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