日垣 隆著
日本実業出版社 (2006.2)
\1,365
評価:☆☆☆☆
日々の忙しさに追われていて、ふと気が付くと世間を騒がせた大事件や大事故であっても一時の話題づくりにしか寄与せず、消えていっているように思う。
本書は、この5年間に著者が週刊『エコノミスト』に連載したコラムを集めたもの。後書きで「コラム執筆にあたり、そのときどきに最も注目された事件や事象を睨みつつ、数年後または数十年後に振り返って、あれがエポックだったのか、と思い起こせるテーマを選ぶことを心がけました」と記すだけのことはあり、確かにあの年のあの頃にはこんなことが話題になっていたと思い出す。
しかし、著者が日垣隆であるからには、そんな懐古趣味だけで収まるはずが無い。
政治、経済、事件、事故とそれぞれの話題において時に激しい糾弾を、皮肉を、そしてたまには共感を交えながら書いているわけだが、著者らしく徹底した下調べと自身に対して最も過激に発揮されるプロ意識が底にある。だから、読んでいて著者の憤りや思いを素直に受け止めることができるのではなかろうか。
素直に感情を表現することはもちろん責められることではないが、根拠も背景もなければただの誹謗に堕してしまうだろう。そんな姿勢と無縁な著者のスタイルが、このまま続くことを願ってやまない。ついでに、その皮肉な物言いも。
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