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Author:Skywriter
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139冊目 日本の戦争力
日本の戦争力

小川 和久著 / 坂本 衛聞き手

アスコム (2005.12)


評価:☆☆☆☆

 戦争を避けるには、戦争そのものを知らなければいけない。そうでなければ対処のしようもない。日本に住む我々にとっては、日本の持つ軍事力(戦争力)を正しく知っておく必要がある。そのためには、一にも二にも事実を知らなければならない。

 だが、書けば簡単ではあっても事実を知ると言うことはきわめて難しい。まず、事実を選り分けるのが大変で、次にその無味乾燥な事実の中から論理を導き出さなければいけないのだから。

 しかし、それは努力を怠るべき理由にはならない。喧伝される北朝鮮脅威論がどの程度正しいのか、あるいは日米安保体制がアメリカにとってはどのような意味を持っているのかということを知ることができない。それは直ちに有事に対して有効に備えることすらできないということを意味する。

 事実を知る、と言う点については本書は文句なしだ。地政学的な意味も含め、様々なことが取り上げられている。その一方で、そこから導かれる論理が正しいかというとそうでもないだろう。首肯できない点も多々ある。

 それでも、まずは事実を知るために、このような本の出番があると思う。客観的な事実を知って、その後でどのようなことができるのか、を考えるべきだろう。多くの方に読んでもらいたい一冊ではある。
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ノンフィクション | 2006/05/31(水) 23:03 | Trackback:(4) | Comments:(2)

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137冊目 ナスカ 砂の王国
ナスカ砂の王国

楠田 枝里子著

文芸春秋 (2006.2)

評価:☆☆☆☆

 世界7不思議なんてものもある。ピラミッド以外は現存しないがいずれも他を圧する巨大な存在感を持ったものばかり。しかし、そんな世界7不思議も高いところに上らなければその全体像を見ることすらできないナスカの地上絵と比較すると不思議さが足りない。

 たとえばピラミッドは雨季に農民を救済するための公共工事だったことが明らかになっているなど、作った動機については分かっているものもある。しかし、ナスカの地上絵は何のために書かれたのか、はっきりしたことは分からない。だからこそ解くべき謎が多くて面白い、というのはあるかもしれないが。

 そんな地上絵の謎に挑んだ、一人のドイツ人女性がいる。マリア・ライへ。ナチス時代に単身南米にわたると、ヒトラーの野望が欧州を焼き尽くし、その破滅後には故郷を共産主義のカーテンが覆い隠してしまう。そう彼女の故郷は東ドイツにあったドレスデン。戻るところはなくとも、彼女は既に生きがいを遠い異国の地で見出していた。地上絵の研究だ。趣味で始めた研究は、やがて彼女を押しも押されもせぬ地上絵研究の第一人者と変えていく。

 そんな彼女の半生を、ベルリンの壁健在なりし頃の東独とペルーを行き来しながら追いかける。マリア・ライへのパワフルな生きる姿勢と真摯な研究は心を打つ。研究だけではなく、遺跡の保存にも奔走する。カネも、味方もないなかで孤軍奮闘する、そんな女性がいたからこそ、今も地球の反対側で我々が地上絵に思いを馳せることができるのだ。

 ペルーでの研究成果に注目したいのであれば不適当であろうが、科学者の伝記としてはとてもよくできていると思う。地上絵が知られるようになった裏にどんなことがあったのかがとてもよく分かって面白い本である。

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その他歴史 | 2006/05/27(土) 23:11 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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135冊目 言葉の常備薬
言葉の常備薬

呉 智英著

双葉社 (2004.10)


評価:☆☆☆☆


 言葉と言うものは毎日使うものである。そして、その目的は第一に他者との意思疎通にある。ということは、たとえ間違った言葉を使っていたとしても意思疎通ができれば問題はない、ということになる。ところが、そうやって意思疎通だけを優先に言葉を使っていくと語源からかけ離れてしまったり理屈に合わない変な話が出てきてしまったりする。

 だから、であろうか。語源を知ると言うのは少なからぬ楽しみがある。それも、予想外であればあるほど。

 本書はそんな言葉の薀蓄集である。さらに面白くしているのは、薀蓄の羅列にとどまらないところである。おまけにそれぞれ興味深いエピソードがあるものだからついつい読みふけってしまうと言うものである。言葉で遊ぶ楽しさを教えてくれる貴重な一冊。
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エッセイ | 2006/05/23(火) 13:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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134冊目 現代史の対決
現代史の対決

秦 郁彦著

文芸春秋 (2005.12)


評価:☆☆☆


 歴史上のことで多くの論争があるのは、その一例として邪馬台国論争を見れば分かるだろう。しかしながら、そういった古代史が(ほとんどの場合には)学問的なものであり、少々の感情的な含みがあったとしても著しく学問的な領域からはみ出すことはない。しかし、そうではない歴史分野が、確かにある。現代史である。

 というのも、現代史は必然的に現時点での世界と非常に密接な関係を持つため、どうしても政治が入り込んでくるためである。その結果、たとえば南京事件の被害者数では、中国側が公式に掲げる30万人に対して国内では0(!)から10数万人説までがある。一部に中国側の主張をそのまま取り入れる向きもあるが、実態はどんなに多く見積もっても10万まではいかないと思われる。

 で、被害の規模を議論しようとしても裏に政治的な思惑があるものだからどうにもならない。言い逃げ、証拠の捏造、隠蔽なんかは当たり前。靖国問題でも慰安婦問題でも、果ては教科書問題でもでるわでるわ。本書ではそんな問題の数々に、事実関係がどうなのかを丁寧に示しながら反論する。著者の主張の部分については全面的に賛同はできなくても、こういった込み入った問題に対して常に事実で迫るのは見事なことだと思う。

 何事も、論じるにはまず知ることからはじめなければならない。イデオロギーや政治的な嗜好が入り乱れる論点こそ、その重要性が上がると思う。そして、現代史の背後で鵺のように振舞う人々がいるということを知っておくことも利点になるだろう。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2006/05/19(金) 23:50 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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133冊目 ハリー・ポッターと謎のプリンス
ハリー・ポッターと謎のプリンス

J.K.ローリング 作

静山社 (2006.5)


評価:☆☆☆☆☆


 発売日にニュースになるのが恒例となったハリー・ポッターシリーズの6巻目。出会った頃にはまだまだ子供だった彼らも今ではもう少年とは言えなくなっている。それでもロン、ハーマイオニーとの友情は続いており、悪ふざけがすきなのだけは変わらない(もちろん、ハーマイオニーは除く)。

 ウィーズリー家の長男、ビルがフラーと結婚することになってすっかり荒れているところでハリーは二人と再会する。前の巻の最後でシリウス・ブラック(念のため、ネタバレ反転)を喪ったハリーはこれまで通りに無邪気に楽しむことはできない。物語は佳境を迎え、もう学校を舞台にした明るい冒険物語では済まなくなっている。

 そんななかで暗躍するドラコ・マルフォイ、ハリー、ロン、ハーマイオニーの恋、ハリーを以前より近づけ、自分の知ることの全てを教えようとするダンブルドア、と目が離せない展開が続く。マルフォイの狙いは何か。ダンブルドアは何をしているのか。楽しいシーンはずいぶん減ってしまったけれど、最終巻たる次巻につなげるのには非常に上手くいっていると思う。これまで読んできた人は間違いなく楽しめるだろう。

 一言で片付けてしまえばハリーがヴォルデモートに立ち向かう決意を固める巻、となるだろう。予想外の楽しみはあまりないが、最終戦の幕を開くに相応しい、読み応えある物語だ。ハリーの決意がどのような結末を迎えるか、今から楽しみである。

 それにしても、ネタバレしないように感想を書こうと思うと、そりゃあもう難しい。その点ノンフィクションは楽なわけで、小説を中心に面白い書評を沢山書ける人は尊敬に値するといっても良かろう。といいつつ小説はほとんど読まないのだけど。
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SF・ファンタジー | 2006/05/19(金) 14:15 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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132冊目 ぼくたち、Hを勉強しています
ぼくたち、Hを勉強しています

鹿島 茂著 / 井上 章一著

朝日新聞社 (2003.4)


評価:☆☆☆☆☆


 やってたのしいSEXだけど、そこにたどり着くには長く苦しい道のりが待っている、ヒトもいる。当然といえば当然の如く非モテである私にとって身につまされる思いがする。しかし、若い男(あるいは女)が居れば性欲があるのは当たり前で、相手が居ないなら悶々とするしかあるまい。

 私のような引きこもりタイプは良いんだ、俺は読書のほうが楽しいんだと自分に言い聞かせた結果、本当に読書のほうが楽しくなっちゃったりすることもあるわけだが、それで諦めきれないなら勉強あるべし。というわけでこんな本をどうぞ。

 いやあ、もう、出るわ出るわ。面白い話が。考えてみれば、人類が誕生する遥か以前から綿々と受け継がれてきた行為であるからにはほとんど全ての方が興味を持つのは当たり前。なので、たとえば小説の中のSEX、社会の政治力学とSEX、男色の歴史、ラブホテルの前史と現在、痴漢、成金のスケベ趣味と書き出してみると眉をひそめる(のが良識と思われそうな)話題が盛りだくさん。で、どれも今の常識からは離れていて往時の風俗が垣間見られるのが面白い。

 それにしても驚かされるのは著者の一人である鹿島茂の知識の広さと深さ。あなたはなんでそんなこと知っているのですかと問い詰めたくなるくらい、いろいろな話を引っ張り出してくる。その縦横さだけで特筆に価する。それに歴史学者の井上章一、『大正天皇』を著した原武史まで加わってさらに話題を広げている。気が付けば”Hを勉強しています”なんて言葉はどこへやら、ただの面白い対談になってしまっているのだが、面白いからよしとする。と、このように大変面白いのだが、電車の中で読むのはお勧めしない。
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未分類 | 2006/05/16(火) 14:10 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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131冊目 ミュンヘン
ミュンヘン

マイケル・バー=ゾウハー著 / アイタン・ハーバー著 / 横山 啓明訳

早川書房 (2006.1)


評価:☆☆☆☆


 1972年9月5日。ミュンヘンのオリンピック会場内、イスラエル選手村に8人の男が侵入、選手とコーチを殺害し、9人を人質に取る大事件が発生した。犯人グループはパレスチナ解放機構(PLO)傘下のテロ組織、黒い九月(ブラックセプテンバー)だった。不手際も重なり、人質全員と警官1名および犯人のうち5人が死亡、3名が捕らえられるという結末を迎える。イスラエルとパレスチナ。今も解決されていない問題は、かつては世界中を巻き込んだ武装闘争だったのだ。

 イスラエル側は報復として非常の手段を採ることを決める。黒い九月幹部の暗殺である。その最終目標は、PLO議長アラファトの側近、アリ・ハサン・サラメ。彼は、イスラエル独立戦争で絶大な力を発揮し戦いの渦中で戦死した父ハサン・サラメの軌跡をたどるように、PLO内で頭角を現し、やがて血塗られた王子の異称を持つ残忍なテロリストとなっていった。

 本書は1972年5月のサベナ航空機ハイジャック事件で幕を開ける。背後で糸を引いた者こそ、アリ・ハサン・サラメだった。そこで場面は父ハサン・サラメの時代に戻る。アリ・ハサン・サラメを語るには、父ハサン・サラメを避けて通れないから。そして驚くべき親子2代の歴史が明かされる。

 パレスチナとイスラエルの闘争は、イスラエルの覇権確立とともにパレスチナが辺境へ追いやられ、すべてを失う歴史となっていった。それとともに、黒い九月の作戦は、無計画ではないが無秩序で世間の支持を失うものとなっていく。一度解き放たれた暴力はどちらかが破滅するまで終わらない傾向があるのかもしれない。イスラエルからの暴力の主体はモサド。モサドと黒い九月の血で血を洗う抗争を緻密に、読みやすく書いてあるのは見事である。名前しか知らなかったような個別の事件が、紛争の一連の流れであることが実に良く分かったのが収穫。

 中東和平に感心のある方は必読といっても良いのではないだろうか。
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ノンフィクション | 2006/05/13(土) 14:02 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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130冊目 大本営発表は生きている
大本営発表は生きている

保阪 正康著

光文社 (2004.4)


評価:☆☆☆


 ウソばかりで内実が備わらない発表は、いまでも大本営発表といわれたりする。もちろん、敗戦色が濃くなっているにもかかわらず実態にそぐわない戦果報告ばかり発表していたかの大本営発表がその語源(?)である。しかし、大本営発表という単語は知っていても、その詳しい内実は知らない方も多いのではなかろうか。

 そんな大本営発表を時系列で分析したのが本書。真珠湾攻撃で戦果を重ねる時期から無残な敗北を喫し、占領軍を迎え入れるまでの大本営発表の内容の移り変わりを追う。面白いのは、戦果が上がっている間は非常に冷静で正確な発表だったのが、日本軍が押し返され、旗色が悪くなるにしたがって無意味な装飾ばかりが過多となりウソばかりになることだ。

 筆者は戦争の時期を5つに分類し、時期に応じて大本営発表がどう変貌して行ったのかを丁寧に追いかける。戦争指導者たち(特に東條)が言論を封殺し、近視眼的な認識を強いたという事実は過去にあった出来事としてではなく、今後も十分に起こりうることだと思ったほうが良いだろう。いくつか例を挙げると、ゲーム脳や少年犯罪凶悪化、ニート問題、ダイオキシンやBSEなどで全く実態にそぐわないおかしな言説がまかり通っている。複数の国で危険なカルト宗教と名指しされている創価学会が平然と政権中枢に居られるという異常さ(そしてそれが報じられないという問題)など、メディアリテラシーを身につけるべき状況は続いている。大本営発表が過去の終わったこと、とは思わないのが大切なのはこれから先、情報が重みを増すにつれますます重要になるのではなかろうか。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2006/05/11(木) 15:49 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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129冊目 脳とセックスの生物学
脳とセックスの生物学

ローワン・フーパー著 / 調所 あきら訳

新潮社 (2004.2)


評価:☆☆☆☆☆


 まだまだ分からないことがあるからこそ科学に惹きつけられる人は多い。なにせ、セックスが必要になった理由すら、まだはっきりは分かっていないくらいだ。その一方ですでに分かっている面白いこともある。分かったこと、まだ分かっていないこと、どちらにも共通するのは生物は驚きに満ちており、知ることは純粋に楽しいということだ。

 見出しを書き上げただけで読む気をそそられるような、そんな話題が目白押しである。性と生殖ではゾウムシのペニス、男と女のセックス戦争(遺伝レベルで見たら隠微さはなく冷徹な計算と競争が待っている)、進化の項ではアリジゴクやクジラの進化、ヒトの妊娠ではつわりの功罪、胎盤内の♂♀競争、病気・健康・医療ではHIVワクチンの可能性、摂食障害と自己免疫疾患、脳と感情でテレビが与える影響、ギャンブラーの生理学的背景、最終章人類進化では人類の進化や理想のカップル条件について、と本当に面白い。

 しかも、すばらしいことに語り口が平易でウィットに溢れている。専門知識の領域に踏み込みながら深く入り込みすぎない絶妙のバランス感覚。40の話題しかないのが残念で、倍あってもまだ飽きない。そんな読んで楽しい一冊。自然科学が好きな方はぜひ。
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生物・遺伝・病原体 | 2006/05/11(木) 15:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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128冊目 動物保護運動の虚像
動物保護運動の虚像

梅崎 義人著

成山堂書店 (2004.4)


評価:☆☆☆☆☆


 鯨やアフリカ像は絶滅しかけているから、保護が必要だ。あるいは、毛皮をとるためだけにオットセイやアザラシが惨殺されている。そんな話を聞いたことがないだろうか。日本の商業捕鯨は禁止され、アフリカ像を保護するためとして象牙の輸入も道が閉ざされた。オットセイやアザラシを獲って生活していた先住民たちは生活の術を失い、途方に暮れている。

 実際はどうなのか。鯨やアフリカ像は減少しているのか。そう考えるのは、実はすでに動物愛護団体の術中に嵌っている。鯨と一言で言っても様々な種類がいる。たとえばシロナガスクジラは数が少なく、商業捕鯨の対象となったら絶滅の危機が訪れるだろう。しかしながら、ミンククジラは膨大な数存在しており、その結果、海洋資源の枯渇に結びつこうとしている。

 アフリカ像も同じ問題がある。アフリカの広い地域に分布するのに、全体が減っているから保護しようというのは理性的な態度ではない。実際に、一部の地域では像が増えすぎて、間引かなければどうにもならない状況になっている。その一方で、政情不安定な国では密漁を管理できず、像が減っている。総体としてみれば減っているから、増えすぎて困っているところでも像を保護するべき、というのが馬鹿馬鹿しいことだと思わないのだろうか。

 我々はついそう思ってしまうのだが、動物愛護団体はそうは思わない。なぜか。彼らが行っているのは善意に基づいた行動ではなく、有色人種を政治的に封じ込めるための策謀だから、である。だからこそ彼らは鯨が増えているという現実を認めない。オットセイの狩りを禁じた結果、200万頭いたオットセイがたちどころに60万頭まで減っても気にしない。世界中の科学者の意向を平然と無視し、国際法を破る。そして自分たちの唱える勝手なモラルを押し付け、恬として恥じない。それが動物保護団体の正体なのだ。

 そんな動物保護団体、たとえば、グリーンピースは動物保護を唱えて多くの資金を得たが、そのカネは動物保護には使われていない。では何に使われているのか、というと組織の拡大とPRだけである。つまり、彼らは圧力団体として存在するのだ。

 動物保護運動は、一見正しいことを言っているように見える。裏の数字のからくりを知らず、計算されつくしたPRは確かに人の心を動かす。その結果、何種もの動物が禁猟・禁漁の対象となった。奇妙なことに、そのために生活を脅かされたのはほとんどすべて有色人種である。オーストラリアでのカンガルー殺(増えすぎたための措置)はもちろん、純粋に趣味として行われるイギリスの狐狩りも彼らは非難しない。非難されるのは、日本人の捕鯨であり、韓国人の犬食いであり、イヌイットのアザラシ狩りであり、キューバのタイマイ輸出であり、アフリカの象牙輸出禁止である。

 こんな現実を、怒りとともに知るべきだ。豊富な実例を挙げながら動物保護運動がいかに虚妄に満ちたものかを説明する本書は、圧倒的な説得力を持つ。圧巻なのは、動物保護団体がなぜこのような行動を行うのか、という背後の説明である。それについては本書を読んで確かめて欲しい。一部筆が走りすぎている気がしなくもないが、論理も証拠も強固で説得力に溢れる。動物保護という虚妄の現実を知るため、一人でも多くの方に読んでもらいたい。読み物としても面白いのがさらに魅力を高めていると思う。
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ノンフィクション | 2006/05/09(火) 15:14 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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127冊目 うぬぼれる脳
うぬぼれる脳

ジュリアン・ポール・キーナン著 / ゴードン・ギャラップ・ジュニア著 / ディーン・フォーク著 / 山下 篤子訳

日本放送出版協会 (2006.3)


評価:☆☆☆



 タイトルで奇をてらったのが失敗したとの感がぬぐえない。うぬぼれに関しての本というよりも、うぬぼれを含む自己認識が脳のどこにあるのかについて、類人猿から人間まで幅広いデータに基づいて論じている。

 脳科学についての本を読んだ方なら知っていることも多い。そういった点で、最新の脳科学本だと思うと価値は下がる。むしろ、脳科学と心理学の接点を、どちらの研究成果も用いて説明しているところに価値があると思う。

 まず、チンパンジーやサルが鏡を見てどう反応するか、を追いかける。我々は毎日のように鏡を見て何か作業を行う。人によっては化粧だったり、別の人にとっては髭剃りだったり、はたまた一部の人にとっては科学の実験だったり。しかし、簡単に思える作業であっても、実は鏡に映っているのが自分であることを認識していなければならない。そして、鏡に映るのが友人でもライバルでもなく、自分であるということを知る必要があるのだ。

 物言わぬ動物が自分を認識しているのかどうかを探った後は、人間が対象となる。脳についての面白さは、紹介される事例の面白さと言っても良いくらい興味深く、面白いエピソードが続く。子供の認知の発達や、アスペルガー症候群は自己と他をどう認識するか、フィネアス・ゲージのように脳の一部の機能を失った人々の奇妙な振る舞いなど、人間の不思議さが詰まっている。

 そして、ついに自分という概念が脳のどこにあるのかという本書の究極の答えにたどり着く。意外なことに、劣位の脳とされる、右半球である。他の機能と同じく、自己は右脳だけに局在するものではないのでまだまだ研究は続くだろうが、これまでの定見を覆すような発見の数々はそれだけで面白い。

 ただ、残念なことに訳文が悪いのか、文章で引き込まれることがない。タイトルの付け方にしても、ちょっとセンスがないような気がする。一般人が面白く読むにはなにかが足りない。画竜点睛を欠く、と言ったところだろうか。
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医学・脳・精神・心理 | 2006/05/08(月) 15:12 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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126冊目 特捜検察の闇
特捜検察の闇

魚住 昭著

文芸春秋 (2003.5)


評価:☆☆☆☆


 ホリエモンが保釈されたそうな。彼が具体的にどう悪かったのか、明らかになったのか。大山鳴動して、という言葉が浮かんできそうな微罪でこのまま事件そのものが消えていきそうである。彼が悪人だというイメージだけを残して。なんとも不可解な状況が現出していると言わざるを得ない。

 あるいはムネオ疑惑。あれもムネオが悪の権化であるかのごとき言説が乱れ飛んだが、なんてことはない、微罪だった。いったい、どうなっているのか。

 これらの事件を扱っているのは特捜検察。特捜検察と言えば、かのロッキード事件を始め、いくつもの疑獄事件を扱ったエリート集団である。その検察が、おかしくなったらどうなるのだろう。

 本書はおかしくなってしまった検察に、二つの事件から光を当てる。まずは、ヤメ検の田中森一。元特捜のエースが、検事を辞めると暴力団やバブル紳士の弁護人に成り代わる。そこに疑問はないのか。しかし、丹念に追っていくと、田中森一だけが異常なわけではないことが分かる。検察のずさんでおかしなあり方が問題の根幹部分に横たわっていることが分かる。だからといって彼らが免責されるわけではないが。

 続いて、オウムの主任弁護人を務めた安田好弘の事件。人権を武器にする悪徳弁護士と騒がれた安田の実情は、あまりに報道とかけ離れている。裁判の過程で次々と崩れる検察の筋書きは、法廷ドラマであったとすれば面白いだろう。しかし、これが現実なのだと思うと背筋を冷たいものが流れる。強引で牽強付会、現実を知らない独りよがりな推論で、被告人は貶められていく。

 司法制度が、危ない。

 そんな現実を丁寧にあぶりだすのは見事である。検察がまともな道に戻るためにこのような外科手術が必要なのだとすればあまりに寂しいことではあるが、早いうちに引き返せば、あるべき姿に戻れるのではなかろうか。司法に興味がある方は、ぜひ読んで欲しい。
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ノンフィクション | 2006/05/06(土) 15:09 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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125冊目 女王の百年密室
女王の百年密室

森 博嗣著

新潮社 (2004.2)


評価:☆


 読み始めたから最後まで読んだ、という感じの本。この一文で分かるとおり、別に面白くない。オチは酷い。地に足の着いていない空想都市で起こった密室殺人。もちろん、あらゆる密室殺人は真の密室で起こったわけじゃない以上、なんらかのタネがあるわけだけど、そのタネに納得させられるかどうかが作者の腕の見せ所。で、これは失敗作。

 森博嗣のファンであれば目を通す価値があるかもしれない。

 これを読んでの違和感は、ひょっとしたら森ワールドに共通するかもしれない。『すべてがFになる』では孤島の研究所という変人が集う条件を上手く出せていたわけだけど、それは偶然納得のいく世界ができていただけなのか。そんな疑問を感じさせた。

 というのは、結局、登場人物があまり人間臭くないことに帰結する。たとえば、犯人が殺人を犯す理由が変人だから、じゃあ誰も納得しないわけで。そんな感じで、魅力の感じられないキャラクターとリアルさを欠いた世界。その二つの欠点を覆い隠せる世界を描けたら、面白くなるのかもしれない。
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推理小説 | 2006/05/06(土) 12:10 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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124冊目 論理で人をだます法
論理で人をだます法

ロバート・J.グーラ著 / 山形 浩生訳 / 千野 エーイラスト

朝日新聞社 (2006.3)


評価:☆☆☆


  論理についての本が面白くなるかつまらなくなるかは主題以外によるといっても過言はなかろう。単に論理の組み方だけを解説した本は無味乾燥で面白くないものだ。

 では、本書の面白さはどこにあるのか。

 思うに、論理を身につけるために論理を説明するのではなく、論理的ではない例を大量に集めることで騙されない心得を教えてくれることにあるのではないか。

 はぐらかし、ごまかし、単純な論理の間違いなど、誤った論理はそこかしこで見られる。そこに騙されないことから価値ある議論は生まれるのだ。

 もう一点、取り上げる例が面白いことにも触れておくべきだろう。

 我々が完璧ではありえない以上、誰しも間違った論理を使ってしまうのは避けられない。いちいち目くじらを立てて誤りを探すより、こんなこともあるのだと覚えておくことで心に余裕を持つ、というのが本書の正しい使い方ではなかろうか。
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未分類 | 2006/05/02(火) 12:09 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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