マックス・アラン・コリンズ〔著〕 / 鎌田 三平訳
角川書店 (2005.3)
評価:☆☆☆
知っている人も多いだろうが、これはCSIというアメリカのドラマの小説版である。最新の鑑定技術を駆使して犯人を追い詰める科学捜査班の活躍を描いている。
ラスベガスのホテルで頭に2発の銃弾を撃ち込まれて殺害された男の現場調査が終わらぬうちに、別のメンバーは別の場所でミイラ化した死体を発見する。調査の結果、ミイラ化した死体は15年前に行方不明になった男であることが判明するのだが、奇怪なことにホテルで殺害された男とまったく同じよう、2発の銃弾が撃ち込まれていた。偶然か、必然か。科学捜査班の導き出した犯人は―――
警察小説としては面白いのだろうけど、捜査のテクニカルな面白さは証拠は語るの方が圧倒的に上である。科学捜査のテクニックがちょっと出てくる警察小説、といったところか。ドラマファンや警察小説ファンは読んで楽しめるのではなかろうか。
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浅利 佳一郎著
集英社 (2002.12)
評価:☆☆☆☆☆
基本的に、生理的な欲求に従うことは快感につながる。喉が渇いたときに水を飲むこと然り、お腹がすいたときにご飯を食べること然り、眠くてたまらないときに眠りに落ちること然りである。多くのヒトは口にはしないであろうが、くしゃみをしたときもまた然りではなかろうか。もちろん、セックスも快感が付きまとう。これらは脳の報酬系と呼ばれる部位を活性化させるので、なんともいえない幸福感が湧き上がるわけだ。
だがしかし、上に挙げた項目は、釣り合いが取れていない。なんとなれば、食べることと飲むことは挙げられているというのに、それと対であるはずの出すことについては書かれていないからだ。そう。うんことおしっこのことである。あろうことか、この本は終始その二つのこと+トイレについて書かれているという、呆れた本なのだ。著者たちが、出すほうについてのあまりの冷遇っぷりに憤り作り上げたのが”出口問題研究会”なのである。
そして、いざ問題提起されてみると排出は誰にとっても必要なものであるから、面白い話が次から次へと出てくるのだ。たとえば、軍の特殊部隊は作戦行動中に催したらどうしているのか。各国のトイレ事情はどうか。本邦初の近代的トイレはどこにあってどんなものか。うんこやしっこの語源はなにか。そんな疑問を抱き、抱いたら調べてしまう出問研の人々。そして出問研の面子は行動力もある。科学博物館へ”みんなのうんち展”に行ってコアラの糞を食べるメンバーが居る。故郷の秋田に行ってなぜ昔はシダ類でおしりを拭いたのかを調べる人も居る。あるいは日本トイレ協会や居心地の良いトイレ造りに情熱を燃やす設計事務所ゴンドラの女性設計士・小林純子さんの話を聞く、といった感じで東奔西走。好奇心はとどまることを知らない。(少なからぬ時間をすごさなければならないトイレを少しでも居心地良くするために、トイレからのメッセージのような提言は重要になるのではないか)
はばかりがあることばかりに触れているわけだが、排出やトイレについて面白おかしくしかも役に立つように書いてあるのが良いし、薀蓄が多いのも私好みである。はばかりながらもお勧めする次第である。もちろん、食事しながら読むことだけはお勧めしない。
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