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114冊目 すべてがFになる
すべてがFになる

森 博嗣〔著〕

講談社 (1998.12)


評価:☆☆☆☆


 理系人間の、理系人間による、理系人間のための推理小説。タイトルをみて、なにがFになるって?と思ったらもう作者の術中に嵌っているといって良い。

 本書は推理小説ではおなじみの密室殺人ものである。この手のものは密室の設定とトリックがポイントになると思う。その点では満点といっても良い。特に、密室からウェディングドレスを着た遺体が出てくる(そう、出てくるのだ)シーンは圧巻。そして部屋に残されたPCには「すべてがFになる」との得体の知れないメッセージ。著者が工学の研究者であることが良く分かる、論理的で緻密なストーリーに引き込まれる。

 しかし、読後感には疑問が残る。結局、動機が分からない。たぶん、トリックを考え付いてそこからストーリーを作ったためだと思うのだが、その殺人が必然には感じられないというのはちょっと弱いように思うのだ。その一方、「7は孤独」とか「トロイの木馬」なんていう数学やコンピューターについての言葉が沢山出てくるのは個人的には面白かった。推理小説が好きなら読んで損はないだろう。
推理小説 | 2006/04/16(日) 18:24 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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