クリス・マッケイ著 / グレッグ・ミラー著 / 中谷 和男訳
扶桑社 (2005.11)
評価:☆☆☆
”テロとの戦い”における、弾が届かないくらいの後方で活躍する尋問官の活躍を描いたノンフィクション。捕虜との心理戦の様子は迫真に満ち、裏方のもつ意味と活動内容を垣間見ることができる。重要な情報を持っているのか、いないのか。それすら分からない捕虜たちを問い詰め、精神的に追い込んで全てを告白させるのは当然ながら容易なことではない。だが、拷問はジュネーブ条約で禁止されており、かつ尋問官には拷問が有効ではない(あることないこと尋問官の望むことを自白させてしまうため)が教え込まれているのでしらばっくれるばかりの捕虜との対決は時間を要することになる。
捕虜はまず一通りの取調べを受ける。それが本書で書かれているところである。そこで重要な情報を握っていると分かれば、かのキューバのグアンタナモに送られ、さらに取調べを受ける。
ということは、自動的に本書で触れられるのは初期のあまり重要とはいえない情報であり、同時に調査のごくごく一部であるに過ぎない。そういった点で、調査の全体像を期待すると裏切られることになる。また、尋問官たちの苦労は十分に伝わってくるし、デマに振り回されたり煮ても焼いても食えないような捕虜との心理戦に疲弊する姿はわかるのだが、肝心の情報の中身はほとんど分からない。戦争の全体像を求めると期待はずれに終わるだろう。
ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)




