カレンダー
03 | 2006/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
プロフィール

Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


宣伝目的以外のあらゆるコメント、TBを歓迎します。

↓ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してください。


にほんブログ村 本ブログへ


kids goo弾かれサイトですので閲覧はご注意を。頭が悪いのが伝染する恐れがあります。
notforkids.jpg

FC2カウンター
最近の記事
Tree-Arcive
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
巡回先

にほんブログ村 本ブログへ



うちの子も元捨て犬です。今はすっかり我が家の一員。甘えるのは下手だけどとっても可愛い子です。

Skywriterさんの読書メーター

ブロとも申請フォーム
ブロとも一覧
ブログ内検索
RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- | |

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

123冊目 クルスク大戦車戦
クルスク大戦車戦

青木 基行〔著〕

学研 (2001.5)


評価:☆☆☆


 1941年、ドイツは突如ソ連に侵攻を開始。所謂、バルバロッサ作戦の発動である。スターリンによる軍幹部粛清や防禦体制の不備(ヒトラーは『我が闘争』でソ連と決して相容れないと主張していたにも関わらず、スターリンはドイツが攻めてくるとは信じていなかった)もあり、ドイツは怒涛の勢いで各地を席巻し、わずか半年でモスクワ近郊までドイツ軍が迫る。

 ところが、やはりソ連は広く、抵抗力は大きかった。関東軍だけで中国全土を征服できるわけがなかったのと同様、ドイツが全力を挙げてもソ連を征服することはできるはずはなかった。それでも、東部戦線に限ってはドイツに有利な集結を迎え得たかもしれない。だが、ヒトラーの頑迷な戦争指揮とスターリンの強固な防禦体制の構築は、1941年冬のモスクワ戦、翌1942年冬のスターリングラード攻防戦の勝利へとソ連を導くことになる。

 モスクワ、スターリングラードではソ連がドイツの侵攻をとどめたに過ぎないのに対し、1943年に行われたクルスクの戦いはドイツの敗北を確定付けた。ドイツには敗北、それも惨敗しか残っていないことを示したことにある。本書はそのクルスクでの戦いを多角的な面から描き出す。

 士官、軍編成、装備、機械性能などは文庫としては破格の詳しさである。言い換えれば、かなりマニアックであるということだ。クルスクでの戦いが戦車戦であったことを考えると、双方の戦車がどのような性能を持っていたのかは欠かせない点を考えると、実は親切なつくりであることが分かる。そして、最終章でいよいよ戦闘の全体的な流れとなる。そこに興味がある(読者のほとんどを占めると思われる)方にとっては待ち遠しかったシーンだろう。これがかなり丁寧に分かりやすく書かれていて面白い。全体的に高く評価できると思う。

 それにしても問題なのは、個人的にヒトラーのドイツもスターリンのソ連も両方問題を抱える国家だったわけで、それゆえなかなかどちらかを応援しようという気になれないところである。
関連記事
スポンサーサイト
太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2006/04/29(土) 12:06 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

122冊目 そして粛清の扉を
そして粛清の扉を

黒武 洋著

新潮社 (2005.2)


評価:☆



 そんなに殺人が好きですか?という疑問を感じる一冊。

 一人娘を暴走族に轢き殺された女性教師が悪の巣窟と化した自分のクラスの生徒を人質に取り、次々と処刑していく。警察やマスコミを巧みに操作しながら復讐を遂げていく。ところが、このクラスの中には娘の仇はいない。そこで考え出した手は――


 以下、ネタバレがあるので興味がある方のみ続きを読んでください。
続きを読む
関連記事
その他小説 | 2006/04/26(水) 12:04 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

121冊目 鼻ほじり論序説
鼻ほじり論序説

ローランド・フリケット著 / 難波 道明訳

バジリコ (2006.3)


評価:☆


 やってくれたぜ、バジリコ!

 と思って飛びついたのだが、これはとんでもない駄作。この手のものはすごーく真面目に書いたら面白くなるのに全編中途半端なパロディなのががっかり。プレイボーイみたいな雑誌に載るような読者からのセックス相談をパロディにしているのは面白かったけど。

 とんでもないジャンルのものを真面目に書いているのでは、たとえば『fの性愛学』なんてのがある。大きな声では言えないけど、ずばりフェラチオの通史である。これはもう心底真面目にその歴史や文化を語っているわけで、そこに面白さがあった。こういう風にやってくれたら良かったのに、残念。

 この書評を読んで、評者はいったい何を読んでおるのかと思われた方、あなたは正常です。
関連記事
未分類 | 2006/04/26(水) 10:23 | Trackback:(1) | Comments:(2)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

120冊目 99・9%は仮説
99・9%は仮説

竹内 薫著

光文社 (2006.2)


評価:☆☆☆


 科学は所詮近似に過ぎない。科学は多くの成功を生んできたという確かな実績があるが、しかしその背後には強引にそう前提するのが楽だから、といったような必然性が感じられないものを含んでいる。でも、科学をやる人は悩まない。なぜなら、たとえ前提があやふやであったとしても、使っている仮説や理論が現実を説明できるのであれば何の問題もないからである。

 本書は科学は完全で完璧な理屈や根拠に基づいて、唯一の真理にたどり着くなんてのは幻想にすぎない、と指摘する。問題は、たぶん、理系の人はそんなこと分かってるということだろうか。素朴に科学はすごいと思っている人が読んだら面白いのだろうけど、ちょっと拍子抜け。ただし、取り上げている例は面白い。飛行機が飛ぶ理由や冥王星は惑星か、といった一般に解決済みであろうと思われている問題が実はそうではないことを示した功績は大きいのではないのだろうか。

 その一方で、進化論が完全に立証されたわけではない以上、仮説としてID説(進化の過程で神が介在したという仮説)も学校で教えても良いのではないかという提言には断固反対。なぜなら、進化論は反証しうるし多くの証拠を積み重ねてきている説であるのに対し、ID説はそうではない。証拠は出せないし、出せる見込みもない。そんなものは教科書のようなところで取り上げるべきではない。もしID説を取り上げるのであれば、胡蝶の夢のようにこの世界は現実には存在せず、蝶の夢に過ぎないといった、ID説と同じ程度(すなわち限りなく0%に近い)には説得力がある仮説も取り上げねばならないだろう。

 ID説については、女は男より後に作られたから劣った生物だとか、黒人は神の作りたもうた天然奴隷だなんて類のトンデモを大量に生み出してきたキリスト教がまた新たな珍説にすがっている、というのが実情だろう。
関連記事
その他科学 | 2006/04/25(火) 23:02 | Trackback:(0) | Comments:(2)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

119冊目 しあわせの書
しあわせの書

泡坂 妻夫著

新潮社 (1987.7)


評価:☆☆☆☆☆


 泡坂妻夫がまたすごい小説を書いてくれたものだ。私が初めて読んだ氏の小説は『生者と死者』で、これは16ページごとに綴じ込みがしてあり、綴じ込みをそのままに読むと短編が、開いて読むと中編が現れるというすごいものだった。短編はちょっと不思議な話なのだが、中編ではそのすべての謎が明らかになる上、登場人物も増え、なんと後書きまで読めてしまうという始末。つくづく感嘆したものだ。本書はそれには適わないかもしれないが、やはりすごい小説だ。ネタを言いたくてたまらない。

 怪しげなヨガの達人、ヨギ・ガンジーが挑むのは怪しげな新興宗教団体の謎である。死んだと思われる者が姿を見られたり、不思議な事件が起こっていく。トリックそのものはそんなにすごいものではない。だが、しかし、ああ、言えないけど、ものすごい秘密が隠されているのだ。読んで確認して欲しい。私は他のシリーズも読んでみたくなった。
関連記事
推理小説 | 2006/04/23(日) 22:59 | Trackback:(2) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

118冊目 魂の重さの量り方
魂の重さの量り方

レン・フィッシャー著 / 林 一訳

新潮社 (2006.1)


評価:☆☆☆☆☆


 魂の重さは30g、という話を聞いたことがある。初めて聞いたときには根拠もなく何を馬鹿なことを、と思ったことを思い出す。魂なんてあるかどうかも分からないというのに、その重さを確定するなんてことできるわけないじゃないか。そう思ったのだ。

 そんな噂の背景には実に冷静な、事実を見つめようとする目があった。医師マクドゥーガルは死の前後の体重を量り、30gほど軽くなることを見出した。彼は再現実験を行い、ミスの可能性を極力排除して、しかしそれでも死の前後で何かが起こって体重が減少している(ように見える)ことを確認した。

 じゃあそれは魂なのか。そう問う向きもあろう。しかし、その短絡的な飛びつきこそが問題なのだ。マクドゥーガルは決して魂の存在に直結して考えず、あくまで懐疑的だった。研究には細心の注意を払い、細心の注意を払った。しかも、(誰も人間を対象にこんな実験を追試しなかった(あるいはできなかった)ので)マウスでは同じ結果が出たという。青酸カリを用いてマウスを殺すとその前後で秤は軽くなったことを示した。科学の要求する再現性もあることになる。その一方で、無酸素症で殺したマウスではそのような現象は見られなかったという。

 では何を信じるのか。

 そんな問いが、実は問題かもしれない。何かの実在を信じて、信じるものの実在の有無を判断する、ということが。

 信じるがゆえに在るように見える(あるいは無いように見える)ことがらがどう科学の発展に影響を与えてきたかを、いくつかのエピソードを元に描き出す。

 熱量の元となる元素の存在、重力の働き方、光の性質、雷と避雷針、錬金術と化学の連続性、電気と命、生命の設計図など、今の知見に至るまで、どのような試行錯誤が行われてきたのか。分かるのは、科学者は決して”冷静な態度で真理を探求することに情熱を燃やす”という人間離れした存在ではなく、功を焦り、相手を貶め、反論を認められないといった大変に人間的なものである、ということだ。

 それなのに、科学は多くの成功を収めてきた。ニュートン力学に基づく知識は月に人類を送り、太陽系を超えて探査機を送り出してきた。相対性理論は原子炉(そして、悲しむべきことに原爆や水爆)の開発を導いた。量子力学がなければ半導体やレーザーといった現在必須の技術は生まれ得なかった。

 また、生物学に基づいて大腸菌をインシュリン生産工場へと変貌させ、石油化学は身の回りに数多のプラスチック製品をもたらした。負の遺産も確かにあるが、科学の成功なくして今の生活を想像することは困難であろう。道義的に正しいかはさておいて、世界を理解しコントロールするためには驚くほどの成功があった。

 そしてそんな成功を生み出す背景になったのが人間くささだったのだ。一見そうではないように見えるかもしれないが。あたかも矛盾があるようだが、本書に挙げられた例を見るにつけ、そんな思いが強くなる。科学が明らかにした断片的な知識を披露するのではなく、失敗を繰り返しながら真理のかけらを覗き見る。そんな営みを感じられるのが良い。それぞれのエピソードも専門知識がなくても興味をひかれるようなものであるのも良い。科学のリアルな姿を見せてくれる良書である。
関連記事
その他科学 | 2006/04/22(土) 22:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

117冊目 CSI:科学捜査班
CSI:科学捜査班

マックス・アラン・コリンズ〔著〕 / 鎌田 三平訳

角川書店 (2005.3)


評価:☆☆☆


 知っている人も多いだろうが、これはCSIというアメリカのドラマの小説版である。最新の鑑定技術を駆使して犯人を追い詰める科学捜査班の活躍を描いている。

 ラスベガスのホテルで頭に2発の銃弾を撃ち込まれて殺害された男の現場調査が終わらぬうちに、別のメンバーは別の場所でミイラ化した死体を発見する。調査の結果、ミイラ化した死体は15年前に行方不明になった男であることが判明するのだが、奇怪なことにホテルで殺害された男とまったく同じよう、2発の銃弾が撃ち込まれていた。偶然か、必然か。科学捜査班の導き出した犯人は―――

 警察小説としては面白いのだろうけど、捜査のテクニカルな面白さは証拠は語るの方が圧倒的に上である。科学捜査のテクニックがちょっと出てくる警察小説、といったところか。ドラマファンや警察小説ファンは読んで楽しめるのではなかろうか。
関連記事
その他小説 | 2006/04/19(水) 22:55 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

116冊目 はばかりながら
はばかりながら

浅利 佳一郎著

集英社 (2002.12)


評価:☆☆☆☆☆


 基本的に、生理的な欲求に従うことは快感につながる。喉が渇いたときに水を飲むこと然り、お腹がすいたときにご飯を食べること然り、眠くてたまらないときに眠りに落ちること然りである。多くのヒトは口にはしないであろうが、くしゃみをしたときもまた然りではなかろうか。もちろん、セックスも快感が付きまとう。これらは脳の報酬系と呼ばれる部位を活性化させるので、なんともいえない幸福感が湧き上がるわけだ。

 だがしかし、上に挙げた項目は、釣り合いが取れていない。なんとなれば、食べることと飲むことは挙げられているというのに、それと対であるはずの出すことについては書かれていないからだ。そう。うんことおしっこのことである。あろうことか、この本は終始その二つのこと+トイレについて書かれているという、呆れた本なのだ。著者たちが、出すほうについてのあまりの冷遇っぷりに憤り作り上げたのが”出口問題研究会”なのである。

 そして、いざ問題提起されてみると排出は誰にとっても必要なものであるから、面白い話が次から次へと出てくるのだ。たとえば、軍の特殊部隊は作戦行動中に催したらどうしているのか。各国のトイレ事情はどうか。本邦初の近代的トイレはどこにあってどんなものか。うんこやしっこの語源はなにか。そんな疑問を抱き、抱いたら調べてしまう出問研の人々。そして出問研の面子は行動力もある。科学博物館へ”みんなのうんち展”に行ってコアラの糞を食べるメンバーが居る。故郷の秋田に行ってなぜ昔はシダ類でおしりを拭いたのかを調べる人も居る。あるいは日本トイレ協会や居心地の良いトイレ造りに情熱を燃やす設計事務所ゴンドラの女性設計士・小林純子さんの話を聞く、といった感じで東奔西走。好奇心はとどまることを知らない。(少なからぬ時間をすごさなければならないトイレを少しでも居心地良くするために、トイレからのメッセージのような提言は重要になるのではないか)

 はばかりがあることばかりに触れているわけだが、排出やトイレについて面白おかしくしかも役に立つように書いてあるのが良いし、薀蓄が多いのも私好みである。はばかりながらもお勧めする次第である。もちろん、食事しながら読むことだけはお勧めしない。
関連記事
未分類 | 2006/04/19(水) 22:55 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

115冊目 世界でもっとも美しい10の数学パズル
世界でもっとも美しい10の数学パズル

マーセル・ダネージ著 / 寺嶋 英志訳

青土社 (2006.3)


評価:☆☆☆☆


 私はウソしか言わない。

 そんな言明があるとする。もしこの言葉が正しければ、この命題もウソになるはず。ということは、この文章はウソだ。だが、ウソだと考えると、命題が否定され、この文章は正しいことになる。いったいどうしたことだろう。

 なにやら屁理屈っぽいが、これは古来クレタ人のパラドックス(あるいはエピメニデスのパラドックス)として知られるものなのだ。論理ですべてが説明できるわけではない、ということを示しているといってよい。それが数学とどう結びつくかって?なんと、結びついてしまうのだ。ゲーデルの不完全性定理という世界中の数学者を驚かせた発見が該当する。

 パズルというのは、上手く組み立てられていれば世界を解き明かすことができるほどのものになりうるのだ。歴史に残るパズルには、そういった側面がある。

 本書で取り上げる、最も美しい数学パズルは以下のとおり。

1.スフィンクスの謎かけ
2.アルクインの「川渡りのパズル」
3.フィボナッチの「ウサギのパズル」
4.オイラーの「ケーニヒスベルクの橋」
5.ガスリーの4色問題
6.リュカの「ハノイの塔のパズル」
7.ロイドの「地球から追い出せのパズル」
8.エピメニデスの「うそつきのパラドックス」
9.洛書の魔方陣
10.クレタの迷宮

 タイトルだけ見たらどこがパズルなのか首をひねるものもあるが、それぞれ数学的にとても興味深い問題である。そしてとてもありがたいことに、たとえその数学が分からずとも読み物としても面白い。

 数学が苦手な方も、読んでいるのはパズルの本だと思って一度手にとって見てはいかがだろうか。きっと、ついついパズルにのめりこんでしまうことだろう。
関連記事
数学 | 2006/04/18(火) 18:25 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

114冊目 すべてがFになる
すべてがFになる

森 博嗣〔著〕

講談社 (1998.12)


評価:☆☆☆☆


 理系人間の、理系人間による、理系人間のための推理小説。タイトルをみて、なにがFになるって?と思ったらもう作者の術中に嵌っているといって良い。

 本書は推理小説ではおなじみの密室殺人ものである。この手のものは密室の設定とトリックがポイントになると思う。その点では満点といっても良い。特に、密室からウェディングドレスを着た遺体が出てくる(そう、出てくるのだ)シーンは圧巻。そして部屋に残されたPCには「すべてがFになる」との得体の知れないメッセージ。著者が工学の研究者であることが良く分かる、論理的で緻密なストーリーに引き込まれる。

 しかし、読後感には疑問が残る。結局、動機が分からない。たぶん、トリックを考え付いてそこからストーリーを作ったためだと思うのだが、その殺人が必然には感じられないというのはちょっと弱いように思うのだ。その一方、「7は孤独」とか「トロイの木馬」なんていう数学やコンピューターについての言葉が沢山出てくるのは個人的には面白かった。推理小説が好きなら読んで損はないだろう。
関連記事
推理小説 | 2006/04/16(日) 18:24 | Trackback:(1) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

113冊目 博士と狂人
博士と狂人

サイモン・ウィンチェスター著 / 鈴木 主税訳

早川書房 (2006.3)


評価:☆☆☆


 大変な労力を費やしつつも、世人からなかなかその苦労を認識されないことはいくつもある。めったなことでは光が当てられない、そんな分野で大変な苦労をして、そして成果を挙げた人々は少なくない。

 たとえばスポーツ選手はその苦労が容易に偲ばれるが、学者はそうではないのではなかろうか。そんななかなか苦労が見えてこないものに、本書でも取り上げられている辞書の編纂もあげられるだろう。

 しかも、そんな辞書の中でも全ての言葉を網羅し、しかも語源から用法の変化まで用例を用いて説明することを目標としたオックスフォード英語大辞典(OED)ともなるとその仕事量は信じられないほど膨大なものになる。仕事量にとどまらず、多くの知識や情報を集め、それを纏め上げる優れた頭脳が必要だ。

 ジェイムズ・マレー博士こそ、その頭脳であった。OEDの完成をみることはついになかったが、極め付けに優れた知性と教養が無謀ともいえる事業を成功へ導いた。そしてもう一人。多くの用例を辞書の編纂のタイミングに合わせて送りつづけたウィリアム・マイナー。彼はなんと殺人罪で精神病院に収監された狂人だった。

 この一見して対照的な二人を軸にOEDが軌道に乗り、果てしない終着点を目指す流れを追う。最も知力を使うような、そんな作業が狂人によって成し遂げられたのだ。完成まで70年をかけたOEDは総ページ数16,570、収録語数414,825、用例1,827,306という、その数を見ただけで卒倒しそうなほどのものを作り上げた。辞書にはそんなくろうが眠っているのだ。

 著者のサイモン・ウィンチェスターは『世界を変えた地図』でウィリアム・スミスというこれまた一般には知られていない人物を取り上げ、業績を明らかにしている。こういった、報われにくい天才たちに光を当てて存在をアピールする著者の存在は貴重であると思う。
関連記事
ノンフィクション | 2006/04/11(火) 18:23 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

112冊目 陸軍尋問官
陸軍尋問官

クリス・マッケイ著 / グレッグ・ミラー著 / 中谷 和男訳

扶桑社 (2005.11)


評価:☆☆☆


 ”テロとの戦い”における、弾が届かないくらいの後方で活躍する尋問官の活躍を描いたノンフィクション。捕虜との心理戦の様子は迫真に満ち、裏方のもつ意味と活動内容を垣間見ることができる。重要な情報を持っているのか、いないのか。それすら分からない捕虜たちを問い詰め、精神的に追い込んで全てを告白させるのは当然ながら容易なことではない。だが、拷問はジュネーブ条約で禁止されており、かつ尋問官には拷問が有効ではない(あることないこと尋問官の望むことを自白させてしまうため)が教え込まれているのでしらばっくれるばかりの捕虜との対決は時間を要することになる。

 捕虜はまず一通りの取調べを受ける。それが本書で書かれているところである。そこで重要な情報を握っていると分かれば、かのキューバのグアンタナモに送られ、さらに取調べを受ける。

 ということは、自動的に本書で触れられるのは初期のあまり重要とはいえない情報であり、同時に調査のごくごく一部であるに過ぎない。そういった点で、調査の全体像を期待すると裏切られることになる。また、尋問官たちの苦労は十分に伝わってくるし、デマに振り回されたり煮ても焼いても食えないような捕虜との心理戦に疲弊する姿はわかるのだが、肝心の情報の中身はほとんど分からない。戦争の全体像を求めると期待はずれに終わるだろう。
関連記事
ノンフィクション | 2006/04/08(土) 18:19 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

111冊目 眼の誕生
眼の誕生

アンドリュー・パーカー著 / 渡辺 政隆訳 / 今西 康子訳

草思社 (2006.3)


評価:☆☆☆☆☆


 5億4300万年前、生物は突如として複雑な形態に進化を遂げた。いわゆるカンブリア爆発である。それまで最も複雑化した生物であってもせいぜいミミズの親戚みたいなレベルだったのが、三葉虫やオウムガイ、アノマロカリスやオパビニアといった装甲を纏い、複雑な構造をとるようになる。

 カンブリア爆発の原因は謎だった。今では否定されているが、当初は進化して装甲を纏った1種類の生物が多くの種に分化したという説もあったが、それは否定されている。地質学的には一瞬といっていいほどの短期間に、一種や二種ではなく多細胞生物のほとんど全てが同じような進化をしたのである。

 その答えを出すまでに、迂遠とも言えるほど多くの話題をたどりながら、一つの結論にたどり着く。タイトルを見れば分かるとおり、目の誕生こそがカンブリア爆発を起こしたというのだ。

 結論だけ書いてしまえば、そんな単純なことが答えとは思えない。だからこそ、多くの話題をたどる必要があるのだ。その結果、眼の構造から色の見える理由といった物理的な点、そこから導かれる動物の色彩戦略といった話題から、海底の有機物分解者たちのような、文字通りにも比喩的にも光の当たらないところに生息する生物の生態まで本当に幅広くてどれも興味深い話が目白押しとなる。

 魚の腹が銀色に見える理由だって、これまで見慣れてきたから当然でもそこには深い理由がある。そんな話題が一見わき道にそれているようでいながら終章で一気に一つの結論に向かって収束する様は見事である。

 もう一つの本書の魅力は、カンブリア紀の奇妙な生物についての多くの図版があることである。彼らの色彩は永遠に失われて久しいが、本書を読むことで実情に近いカラフルな彼らを想像できるような気になれるのが嬉しい。古生物ファンは必見だろう。
関連記事
生物・遺伝・病原体 | 2006/04/06(木) 18:16 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。