三野 正洋著
新潮社 (2001.9)
評価:☆☆☆☆
戦場の状況は刻一刻と変化する。当然、完璧な計画に則った整然とした戦闘が繰り広げられるわけではなく、互いに計算どおりに行かなかったり判断ミスを犯したり、あるいは味方の英雄的な行為に救われたりする。そんななかでも指揮官が危機あるいは機会にあってどのような決断を行ったのかが勝負を分ける大きな要因になることがしばしばある。
第二次世界大戦を含む戦場において枢軸側あるいは連合側の指揮官がどのような決断を下し、どのような結果がもたらされたのか。太平洋の島嶼からヨーロッパ西部戦線まで空間的にも時間的にも広いなかから34の事例を集めている。
日本を降伏させるためには民衆の厭戦気分を醸成させるのが最も有効と無差別爆撃を選択したカーティス・ルメイや戦況にまったく影響を与えられないことを知りつつ大和を特攻させる、あるいは戦略的に無価値なところへ補給なしで大部隊を派遣して多くの屍をさらしたインパール作戦のような不条理なものも取り上げることで多くの面を知ることができるのが良い。もちろん、戦争のおおまかな流れをたどっているわけではないので、そういうことに興味がある方は通史的な本と一緒に読み合わせると面白いのではなかろうか。
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