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110冊目 「ニート」って言うな!
「ニート」って言うな!

本田 由紀著 / 内藤 朝雄著 / 後藤 和智著

光文社 (2006.1)


評価:☆☆☆☆


 ニートと聞くと、つい働く気概もなく無為に日々をすごしている若者というイメージがある。そんなニートが増えているという。日本の未来はどうなってしまうのだろう。

 そんな心配を抱いてしまうのも無理はない。

 しかし、真摯にニートの実情を眺めると、上記のイメージは完全な誤りである。本来のニートの定義である学生ではなく仕事に就いておらず就きたいとも思っていない若者は増えていない。むしろ、増えているのは失業者とフリーターである。

 そういった実情をまずは正しく理解しなければ、ニートというものを語れない。したがって、その問題も理解できないはずなのだ。

 現実に激増している失業者とフリーターの問題よりも、実際には目だった増減を示さないニートが取り上げられるのは明らかにおかしい。

 ニートに関して誤った認識が広まる中、冷静に正しいニート像を提供してくれるのが本書である。第1部ではニートの実情を数値や労使問題から読み解き、問題の根源にある社会的な側面に光を当てる。第2部はニートに限らず、自分たちとライフスタイルの異なる若者たちを紋切り型に切り捨てる言説の危険性について説き、第3部ではニートがどのように語られてきたのかを紹介している。それぞれまったく違うアプローチからニートの姿に迫っているので、広く情報を得ることができるのが嬉しい。

 メソポタミアの遺跡からも「近頃の若者はなっとらん」といった落書きが見つかったなどといった話もあるので、ニート問題というのはただ単に自分たちとはライフスタイルの異なる若者を疎ましく思う気持ちが顕わになっただけなのかもしれない。

 その結果として、誤ったイメージでさらに若者が排斥されていくのは避けなければならないだろう。そのためには本書のような冷静に事実を探る営みが必要なのだと思う。ニートについて語るのであれば必読の書と言って良いと思う。
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ノンフィクション | 2006/03/31(金) 16:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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109冊目 教科書では読めない中国史
教科書では読めない中国史

富谷 至著

小学館 (2006.3)


評価:☆☆☆☆


 中国史にはそのごく一部の期間に熱狂的なファンが存在する。言うまでもなく三国時代である(私自身もその一人であるのだが)。その偏りのためか三国志関連の本は沢山出ているのに、それ以外の時代は途端に出版数が少なくなる。そんな残りのほとんどは、史記の時代、それも始皇帝による統一から項羽と劉邦が覇を競った時代が占めている。

 その理由の一つは三国を統一した晋がたちまちのうちに内紛によって自滅し、長い分裂時代に入ってしまうこと、その間に異民族の国も含めて多くの国が興亡を繰り返すことで流れが複雑に入り組んでいること、そこから派生する問題として特定の国や人物に愛着がわきにくいからではなかろうか。

 しかし、秦の始皇帝による中国統一からカウントしても2200年余りの歴史を持つ隣国に対して知られている歴史が1800年ほど前の三国時代まで、というのではあまりにもバランスが悪すぎる。バランスの取れていながら入門書的な本が望まれるところである。

 そんなニーズに応えてくれるのが本書。前2000年ごろの伝説的な国、夏から20世紀までの約4000年の間から、50の話題を切り取っている。話題の幅も各王朝の持った性格や制度、重大事件、法制度、思想、はては中華料理と実に広い。通り一遍の解説だけではなく、著者の意見が強く出ているのも面白い。著者の専門である、古代の木簡から読み取れる事実には驚かされる。

 中国史に興味がある方には一読をお勧めしたい。
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中国史 | 2006/03/29(水) 16:51 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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108冊目 ガセネッタ&(と)シモネッタ
ガセネッタ&(と)シモネッタ

米原 万里著

文芸春秋 (2003.6)


評価:☆☆☆☆


 元ロシア語同時通訳者の米原万里さんによるエッセイ。その職業柄、実に面白い話が沢山あるので読むたびに笑ってしまう。そして、ロシアだからこその話しだよなぁ、としみじみ感じさせる。

 今回面白かったのはこんな話。アメリカの軍事専門家が、ロシアの工場から出荷された核弾頭が、出荷伝票では36なのに納品伝票では32しかない。4発の核弾頭はどこに消えたのか。我々だったら恐怖に足がすくみあがるところだ。なのに、ロシア人研究者はのほほんと、わが国では水増し報告は当たり前。冷蔵庫の出荷数も水増しされる。核弾頭でも同じ話、などとにわかには信じがたいことを言い始める。計画経済の名残がこんなところにも。

 常識なんてものは社会を共通とする人々が抱く共同幻想なんだから、違う社会の人には通用しない。であるからには異文化と接する人々は、常識の衝突が日常だろう。おいしいとこだけ集めたのだから面白いのは当たり前!である。

 なお、通訳ソーウツ日記:スペースアルクで米原さんを含む通訳者たちの文章を読むことができますので興味を持った方はぜひどうぞ。
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エッセイ | 2006/03/26(日) 16:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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107冊目 ウンコな議論
ウンコな議論

ハリー・G.フランクファート著 / 山形 浩生訳 解説

筑摩書房 (2006.1)


評価:☆


  刺激的なタイトルに誘われて、買ってはみたものの、あからさまな失敗だった。実質50ページちょいでそれと同じくらいの訳者解説。それで\1300は高すぎる。

 いや、それでも内容が面白ければ良い。しかし、実際にはウンコな議論というのの対象をはっきり定めてくれるわけではないし、実生活上で出会った場合の見分け方にもならない。

 切り口によってはいくらでも面白くできるんじゃないかと思われるのに、こうなってしまったのは残念。ウンコの連発にうんざりしたのは秘密。
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未分類 | 2006/03/26(日) 16:46 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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106冊目 反社会学の不埒な研究報告
反社会学の不埒な研究報告

パオロ・マッツァリーノ著

二見書房 (2005.11)


評価:☆☆☆☆☆



  前作の反社会学の不埒な研究報告と同様に、世にはびこる”いかにももっともらしい話”が実はどれほどいい加減なのかを徹底した調査で描き出しながら、読み物としても面白い作品に仕立て上げるのは見事の一言。

 堅苦しく言ってしまえば、メディアリテラシーを持てなんてことになるんだろうけど、そんなことに付き合える人はそうそう多くはない。なにせ、社会問題は沢山あるのでそのすべてに対して興味を持ち、情報をいちいち取捨選択なんてできない。

 だから、Z新聞社の調査によると景気が回復したと思う人はXX%で、とか言われるとそのXXという数字で景気が回復したのかしてないのかつい判断してしまう。だいたい、そんな記事なんて面白くないのが相場だから数字だけ見て中身は読み飛ばすことも多いし。

 そうやって我々の常識というものが形作られていく訳だ。

 ところが、そうやって出来上がった常識は、実はリアルな世の中を反映していない。だから、きちんとした調査で自分が持っていた常識と世界の現実とが食い違うこともでてくる。その食い違いを面白おかしく書くのは大変な労力だろう。だから、この手の統計だのなんだのといった本はつまらないことが多い。

 ところがこの本は別格である。それは本当なの?という疑問に細かな数字を出して丁寧に反論していながら、丁寧さを感じさせない。その理由はおそらく、バックボーンとなる細かな数字を集めるのにかかった労力や時間と同じかそれ以上を、読者が面白いと思うように書くことに費やしているからではなかろうか。

 とにかく、自分の常識がひっくり返される面白さは抜群。手にとって見ることを強くお勧めします。
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ノンフィクション | 2006/03/26(日) 16:44 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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105冊目 真空の海に帆をあげて
真空の海に帆をあげて

アイザック・アシモフ著 / 山高昭訳

早川書房 (1988.6)


評価:☆☆☆☆


 事実は小説より奇なり、とはよく言ったものだが、小説家の中には事実の奇を見通す人物が出ることも事実である。たとえばジュール・ヴェルヌは当時存在しなかった潜水艦や飛行船などを見事に描き出したし、タイタニックが沈没する前にはタイタン号という客船が氷山に衝突して沈没するという小説が書かれたこともあった。いずれも小説家の想像力のすばらしさを示していると思う。

 そんな未来を見通すのは、やはりSF作家が一番だろう。それも、科学を学んだ者の。静止衛星軌道を使った通信はアーサー・C・クラークが提唱し(て嘲笑され)たアイディアが現実化したものだ。そして、ここにも科学を学んだ偉大な小説家が居る。その後半生でとくに科学エッセイをものにしたアイザック・アシモフである。

 本書には72のエッセイが収められている。その中には、今となっては当たり前のように世の中に出回っているものもあれば、未だに科学者を惹きつけている謎もある。特筆すべきなのはその分野の広さであろうか。カーナビの可能性(!)からダークマターに至るまで実に広い範囲から題材を選び出し、それを面白く書いているのは見事だと思う。一つ一つが分かりやすく、読みきるのにちょうど良い分量であるのも良い。視野を広げるのに大いに役立つ一冊だろう。
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エッセイ | 2006/03/25(土) 00:06 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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104冊目 環境問題のウソ
環境問題のウソ

池田 清彦著

筑摩書房 (2006.2)


評価:☆☆☆☆☆


 ある人々はいう。人類の排出した二酸化炭素によって地球の温暖化が進んでいる。早急に対処しなければ海面が上がり、都市が水没してしまう。またある人々はいう。ダイオキシンは史上最強の毒である。これがゴミ焼却炉から大量に出ているのは問題だ。ダイオキシンが出ないようにしろ。こんなことも言われる。ブラックバスは日本の生態系を破壊する害魚だ。全力を持って駆除すべし。これらの問題は究極のところ自然保護につながる。自然は守るべきだから一生懸命協力しよう。


 だが、ちょっとまった。その前提と論理は正しいのか?温暖化もダイオキシンも見えない恐怖である。見えないなら、ますます論理には気をつけなければならない。

 今は地球温暖化が問題にされるが、ほんの数十年前までは地球は寒冷化している、というのが通説だった。だれもが迫り来る氷河期を心配していた。現在の状況とは正反対だ。なぜこんなことになるのか。それは、現在の科学ですら気象はあまりにも複雑すぎて扱うのが困難だから、だ。二酸化炭素が増えると温室効果でガンガン温度が上がって地球の大ピンチだ!というあまりに単純なモデルは、成り立たない可能性が極めて高い。二酸化炭素の温室効果がどの程度ありうるのか。ヒートアイランド現象で都市部の気温が上がっているのは間違いがないとしても、それは直ちに地球全体の温暖化につながっているのか。このあたりは冷静に判断されなければならない。

 もちろん、これまでの研究で10万年以上の気象変動を追うと、二酸化炭素濃度と温度が連動しているのは事実である。しかし、現時点では「二酸化炭素が増えたから温暖化した」のか「温暖化したから二酸化炭素が増えた」のかははっきりしていない。

 そして、地球の気候にもっと影響を与えるものがある。熱の補給源である太陽だ。太陽活動と気候の変動ははっきり関連付けられている。今がたまたま太陽の活動期だから何箇所かの平均気温が上がった、という可能性が高いのだ。

 ダイオキシンにしても、騒がれすぎな問題である。通常の食品に含まれるダイオキシンだけで致死量を摂取しようとすると、途中で胃が破裂してしまうだろう。なにしろ、あの”所沢の高濃度ダイオキシンほうれん草”ですら、100トンほど食べないとダメなのだから。

 そういった、恐怖を感じる前に持っておくべき基本的な知識を簡潔にまとめてあるのがすばらしい。そしてまた、環境問題を語る上で避けて通れない話しもしっかりされている。すなわち、カネの話だ。

 たとえば、二酸化炭素を技術的に減らそうと思えば可能である。しかし、それには膨大な投資が必要だ。では、その投資をしただけの見返りがあるだろうか。そこをもっと考える必要がある。環境は可能な限り乱さないのが一番なのは論を待たない。しかし、カネは無尽蔵にあるわけではない以上、十分な安全性を保てるレベルで妥協点を見つけなければならないのだ。

 そんな冷静な視点を与えてくれる好著である。ちょっと挑発しすぎているように見えるところもあるが、そこは挑発されたと思ってさらに問題を深く突き詰めて考えるきっかけにしたらいいと思う。そうすれば、環境問題についてさらに広く深い知識が得られるのではなかろうか。

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その他科学 | 2006/03/22(水) 00:04 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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103冊目 おもしろくても理科
おもしろくても理科

清水 義範〔著〕 / 西原 理恵子え

講談社 (1998.3)


評価:☆


 これはもう面白くない。古本屋で\50也だったから赦してやらなくもないけど。

 もっとも問題なのは、私にとっては既知の内容ばかりだということ。科学関係の本を読むのは事実関係の面白さとか、考え方の斬新さに興味があるからで、そういうのがなければ私にとっては興味がわいてこない。

 これについては私が買うべき本を間違えたということだろう。

 それにしても、西原理恵子の絵はどんどん下品になる。漫画は笑えないどころが読んでいて嫌な気分になる。偽悪趣味を気取って様になるように思い上がるのはお子様だけで十分じゃないかな。西原の漫画がなければ☆二つでも良かったかもしれない。


2006.8.9追記
 タイトルはやはり間違っている。おもしろく「ても」理科じゃなくて、おもしろい「から」理科、が正しいだろう。
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その他科学 | 2006/03/21(火) 23:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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102冊目 赤ちゃんをさがせ
赤ちゃんをさがせ

青井 夏海著

東京創元社 (2003.1)


評価:☆☆☆


 『スタジアム虹の事件簿』の主人公が球団オーナーなら、こっちは助産師である。これまたニッチだ。

 これもまた安楽椅子探偵もので、こちらもまた不思議な事件に巻き込まれる。事件といっても殺人や放火といった物騒なものではない。妊婦と産婦をめぐる物語で、安心して欲しいことに全員無事に生まれる。それなのに、やっぱり事件ではあるという設定を作るのには苦労したと思われる。

 どれも心あたたまる話で、面白くはあるのだけれども、ちょっと強引さが目立つように感じられたのが残念。軽い読み物として通勤の電車の中などで読むぶんには十分楽しめると思う。
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推理小説 | 2006/03/21(火) 16:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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101冊目 スタジアム虹の事件簿
スタジアム虹の事件簿

青井 夏海著

東京創元社 (2001.4)


評価:☆☆☆☆


 日本がWBCに勝ったことだし、こんな本を。安楽椅子探偵(事件現場に赴くことなく、他の人の話だけで事件を解決する)ものである。

 パラダイスリーグ(略してパリーグ)の最弱球団、レインボーズの球場(当然のことながら客席はガラガラ)に、その場に似つかわしくもない女性が現れる。野球が存在しない国から抜け出てきたかと思われるほど野球を知らないその女性は、しかしレインボーズの新オーナーなのだった。

 オーナーになったからには球場で活躍を見たいとやってきたものの、まったくルールを知らないゆえ、プレーの合間合間に頓珍漢な質問をするわけだが、そんな彼女の周りで毎回不思議な事件が起こる。そんな事件を野球と絡めながら解いてしまうという、野球ファン(それもパリーグのファン)と推理小説好きの両者の好みが重なりあう、そんなニッチな短編集。ちょっと強引なところもあるけど、デビュー作だし目をつぶってあげたい。
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推理小説 | 2006/03/21(火) 15:44 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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100冊目 スー
スー

ピーター・ラーソン著 / クリスティン・ドナン著 / 富田 幸光監訳 / 池田 比佐子訳

朝日新聞社 (2005.3)


評価:☆☆☆☆☆


 百獣の王、といえば現生生物ではライオンである(実際には最も強く、かつ威厳に満ちて美しいのはトラなのだが)。しかし、絶滅済みの生物も含めるのであれば文句なしにティラノサウルス・レックスこそ、その座に相応しいであろう。

 そんなティラノサウルスは意外と思われるかもしれないがあまり研究が進んでいない。その一番の理由は、彼らが強大な捕食者だったことに起因する。いつの世も食べる者よりも食べられる者の方が多い。ライオンよりシマウマのほうが多いのと同じだ。ティラノサウルスは、そもそも少数精鋭だったのだ。そして、動物が化石になるのは非常に珍しい。死体がすぐに土に埋もれなければ、風化作用によって骨はあっというまに失われてしまう。ただでさえ少なかったティラノサウルスが、わずかな可能性で化石になって、それを運良く発見できる可能性ともなると極小であることが分かるだろう。おまけに、幸運にも化石が見つかっても、体の一部だけであることが多い。何らかの理由によって他の部位は失われてしまっているのだ。

 だから、どんな化石でも貴重な研究材料である。化石が発見されるたびに彼らの生態について多くの知見が得られのだ。たとえ、それがわずかな断片であったとしても。そんな状況で、ほぼ全身の骨格を保った、最大級のティラノサウルスが発見される。発見者であるアマチュア研究者、スーザン・ヘンドリクソンにちなんでスーと名づけられたティラノサウルスは、研究者の垂涎の的となる。だから、であろうか。スーの発掘は複雑怪奇な裁判闘争へとなだれ込むこととなってしまう。

 本書はスー発掘を指揮したピーター・ラーソンとその妻だったクリスティン・ドナンが体験した、スーの発見から彼らが巻き込まれていった裁判の過程と、これまでに明らかになってきた(あるいはそうであると推測される)ティラノサウルスの生態を丁寧に追いかけている。アメリカの裁判制度になじみのない身には驚くような理由でラーソンらは追い詰められていくが、それでも恐竜、わけてもティラノサウルスへの愛情が曇ることはない。圧巻なのは、これらのわずかな骨から実に豊富な情報を読み取り、ティラノサウルスの世界を我々に見せてくれるところである。恐竜を、これまでよりもっと身近で想像しやすくしてくれたことに感謝したい。恐竜好きはぜひ一読を。
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地球史・古生物・恐竜 | 2006/03/16(木) 23:55 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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99冊目 レシピに万歳
レシピに万歳

アリサ・クレイグ著 / 森下 弓子訳

東京創元社 (1998.3)


評価:☆☆


 嫁さんが風呂に入っている間は私が子供を見張ることにしている。泣いていればあやすわけだが、寝ていたらやることがないので本を読むのは必定であろう。そんなわけで、嫁さんが買ってきた本を眺めたのがこの本。2,3ページ眺めて笑ってしまったのでそのまま読み続けたわけである。

 で、さっそく結論から言ってしまうと、面白くない。というか、キャラクターが作りすぎなのが欠点。もっと現実味のありそうな人々だったら面白かったんだろうけど。あと、ジョークが多いのだけどこれまたやりすぎ&日本人の感性にはあっていなさそうなノリなのが困りもの。ちょっとだったら笑っていられるのだけど、延々やられると辟易する。

 シャム双生児がでてくるのだけど、そのあたりの薀蓄をさらっとだしているのは面白かった。我ながら見るところがずれている。ただ、ドリトル先生に出てくる双頭の動物については井伏鱒二の名訳であるオシツオサレツを使って欲しかった。

 本筋のトリックは納得いくし、ネタになりそうなキャラが多いだけにちょっと残念。最後まで読もうという気にはなるので☆二つ。
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推理小説 | 2006/03/16(木) 23:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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98冊目 指揮官の決断
指揮官の決断

三野 正洋著

新潮社 (2001.9)


評価:☆☆☆☆


 戦場の状況は刻一刻と変化する。当然、完璧な計画に則った整然とした戦闘が繰り広げられるわけではなく、互いに計算どおりに行かなかったり判断ミスを犯したり、あるいは味方の英雄的な行為に救われたりする。そんななかでも指揮官が危機あるいは機会にあってどのような決断を行ったのかが勝負を分ける大きな要因になることがしばしばある。

 第二次世界大戦を含む戦場において枢軸側あるいは連合側の指揮官がどのような決断を下し、どのような結果がもたらされたのか。太平洋の島嶼からヨーロッパ西部戦線まで空間的にも時間的にも広いなかから34の事例を集めている。

 日本を降伏させるためには民衆の厭戦気分を醸成させるのが最も有効と無差別爆撃を選択したカーティス・ルメイや戦況にまったく影響を与えられないことを知りつつ大和を特攻させる、あるいは戦略的に無価値なところへ補給なしで大部隊を派遣して多くの屍をさらしたインパール作戦のような不条理なものも取り上げることで多くの面を知ることができるのが良い。もちろん、戦争のおおまかな流れをたどっているわけではないので、そういうことに興味がある方は通史的な本と一緒に読み合わせると面白いのではなかろうか。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2006/03/12(日) 23:51 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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97冊目 宋姉妹
宋姉妹

伊藤 純〔著〕 / 伊藤 真〔著〕

角川書店 (1998.11)


評価:☆☆☆☆


 昔、中国に三人の姉妹がいた。ひとりは金を愛し、ひとりは権力を愛し、ひとりは中国を愛した。

 20世紀を目前にした時期、財閥の娘として生まれた宋家の姉妹はアメリカに学ぶ。やがて父が支援していた孫文と次女慶齢が、孫文の後継者となる蒋介石と三女美齢が結婚することで三姉妹は激動の時代に政治の中枢で生きることとなる。

 慶齢は孫文の思想を忠実に引き継ぎ、中国人民のために一生をささげようとする。やがて彼女の行動は共産党とかぶるようになる。一方で美齢は夫を助け、国民党への支持を広く訴える。国民党と共産党の関係によって、姉妹の関係も大きく変わっていく。

 日本軍との戦いのさなか、美齢はアメリカで中国支援を訴えて大成功を収める。美齢がアメリカで集めた資金は国民党にのみ回され、国共合作のさなかであっても共産党にはまったく援助がなされないのにいらだつ慶齢。中国最大の権力者・蒋介石の傍にあって権力の絶頂を味わう美齢。

 やがて日本は敗北する。対立しながらも抗日という共通の目的を見出しえた時期は終わり、無慈悲な政治の力が三姉妹にも襲い掛かる。国民党は自らの腐敗が原因で共産党に敗北をかなね、台湾に移り、国際的にも孤立していく。求心力を急激になくす美齢。その一方、共産党の非党員でありながら副主席となる慶齢。その慶齢も文化大革命では宋家の一員であることから逃れることはできなかった―――。

 宋家の三姉妹の生は、日本との戦争、中国革命を経て現在まで続く中台関係と重なり合っているように思える。政治に翻弄された三人は、全員一時は狙ったものを手に入れた。しかし、政治のリアリズムは彼女らに安寧を許さなかった。客観情勢によって中国を利用するだけの欧米、そしてソ連。共産党政権成立後、三姉妹は一度も相まみえることなく亡くなった。国中心ではなく、政治家中心でもなく、その背後にいた姉妹を中心に据えた視点はとても面白い。彼女らなくしてこの歴史の流れはなかったのだろう、と感じさせる一冊。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2006/03/04(土) 23:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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