フランス・ドゥ・ヴァール著 / 藤井 留美訳
早川書房 (2005.12)
評価:☆☆☆☆☆
たまに動物園などでサルやゴリラやチンパンジーといった我々の遠いいとこを眺めると、そのあまりの人類っぽさに驚きを感じる。ところが、それではまだ甘い。チンパンジーやボノボといった、遺伝的に我々に近いいとこたちのとる行動をつぶさに眺めると更なる驚きが待っているのである。
複雑な同盟関係を結んで対立・和解・勢力争いを繰り広げるチンパンジー。群れの和を尊び、繁殖を目的としないセックスによって対立を未然に防ぐボノボ。彼らの行動を見ていると、人類にオリジナルな行動など全く存在しないのではないかと思わされる。
そんな類人猿と身近に接してきた研究者がチンパンジーとボノボの行動と習性について事細かに書いてくれるとなれば、面白くないわけがない。つい動物は馬鹿で人間は賢いと思ってしまいがちだが、それは大いなる思い上がりで、動物も十分に賢いことを思い出させてくれる。
類人猿でも恩は忘れないし、仲間と助け合う。裏切りには復讐し、恩には報いる。仲間同士助け合うこともあれば権力やメスをめぐって殺しあうこともある。なぜ彼らはそのような行動をとるのか。行動から導き出される彼らの戦略とは。行動を知ることができるだけでも面白い。
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アーネスト・ゼブロウスキー著 / 松浦 俊輔訳
河出書房新社 (2000.6)
通常2-3日以内に発送します。
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評価:☆☆☆☆
真の円というものは存在しない。では円について学ぶのは意味がないのかというと、そういうわけではない。円に近い形のものに純粋な円の概念を当てはめると、これが驚くほどうまくいくのである。
その例の一つが古代のエジプトでピラミッドを築く際に用いられたコロであり、滑車である。円とよく似た楕円を用いれば太陽の周りをまわる惑星の動きを記述できる。それどころか、ぱっとみたところは円に見えない波の動きまで、円に関連付けることが可能である。そして、それらは円ではないにもかかわらず円の法則を用いると扱うことが可能なのだ。
なんていうと難しそうな印象を与えてしまうかもしれないが、円というものが意外なところに顔を出していること、そこから導き出される不思議な現象を追いかけるだけで十分面白い。身近に潜む円に親しみをもてるようになりそうな一冊。
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