米原 万里著
文芸春秋 (2005.6)
\650
評価:☆☆☆☆
かつて著名なロシア語同時通訳者として活躍し、現在は時に厳しく、時に温かみのある視点が好評で著者としても名を馳せている米原万里さんの、ペットについてのエッセイ。ネコ派を自認する米原さんが仕事先で野良犬と出会って連れて帰るところからはじまり、歴代の飼いネコたちの話題へなだれこんでいく。
拾われてきたネコの道理と無理、犬のゲンとノラ(野良犬のノラじゃなくて、イプセンの人形の家のノラ)、ロシアでであって買ってきてしまったターニャとソーニャの6匹のペットととの出会い、暮らし、そして別れを巧みに、さらに愛情豊かに書いているのでペット好きにはたまらないのではないだろうか。
うちも拾ってきた愛犬と一緒に暮らしているので、出会った時のこと、お互い慣れないうちに犯してしまった幾つかの失敗を思い起こしながら楽しく一気に読んでしまった。ネコ好きも犬好きも楽しく笑って読める素晴らしいエッセイである。ただ、やはり大のネコ派であるゆえか、犬の飼い方もちょっとネコ風にしているような気もするが、それはご愛嬌である。
たんなるペット愛好家のペット自慢じゃないかと思われるかもしれないが、その通りである。なので、ペットを飼っている人がみたらついつい自分の家の事情を思い返してニヤリとしてしまうのではなかろうか。
ただし、盲導犬についての記述は一方的で、読者に誤解を与えかねないものなので、注意が必要である。盲導犬については財団法人 日本盲導犬協会や盲導犬を引退した犬たちが参考になると思う。
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