畑村 洋太郎著
岩波書店 (2004.9)
\1,995
評価:☆☆☆
”失敗学”で知られる著者が挑む、教科書的な考えじゃない数学的な考え方を伝える本。著者の主張する、人間は A(原因)→ D(結果)と考えているのにA → Dじゃ短絡的だからAだからB、BだからC。CということはDとなる、というような考え方は人間の直観に反しているというのはその通りであると思う。
私が最も賛同したのは、”理解する”というのは”頭の中に既に入っているテンプレートにすんなり当て嵌まること”という主張である。頭が良いというのは世界を理解するためのテンプレートを多く持っていることだ、などと考えたことは無く、目から鱗が落ちた。
高校の数学の教科書は大学の理系の先生が楽をするため、無理な教え方をしているという指摘は多少強引かな、と思わなくもないけど。
読者が数学に毒されているところからまずは抜け出させ、その上で微分積分や三角関数、行列や確率とはどのようなものなのかを畑村視点から解くのは面白い。このような見方を高校時代に教えてもらっていたら、高校で数学を苦手になる生徒が少なくなるように思う。
ただし、本書はあくまで畑村式観点から見た数学について語っているだけで、それが素直に納得行くものかどうかは定かではない。個人的には自分の考えと被っていたりして、目新しい話題ばかりではなかったことを申し添えておく。
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