カレンダー
05 | 2004/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
プロフィール

Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


宣伝目的以外のあらゆるコメント、TBを歓迎します。

↓ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してください。


にほんブログ村 本ブログへ


kids goo弾かれサイトですので閲覧はご注意を。頭が悪いのが伝染する恐れがあります。
notforkids.jpg

FC2カウンター
最近の記事
Tree-Arcive
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
巡回先

にほんブログ村 本ブログへ



うちの子も元捨て犬です。今はすっかり我が家の一員。甘えるのは下手だけどとっても可愛い子です。

Skywriterさんの読書メーター

ブロとも申請フォーム
ブロとも一覧
ブログ内検索
RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- | |

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

19冊目 川が死で満ちるとき
川が死で満ちるとき

ロドニー・バーカー著 / 渡辺 政隆訳 / 大木 奈保子訳

草思社 (1998.11)

\2,625

評価:☆☆☆☆☆

 寄生性の海生渦鞭毛藻(通称:ダイノ)の研究を行っていた科学者が、奇妙なダイノを発見する。寄生性のダイノに似ている挙動を示していると思わせつつ、この奇妙なダイノはどうやら魚を殺す力を持っているらしい。こいつの生息していた水槽に魚を入れるたびに、入れられた魚はどういう訳かすぐに死んでいってしまうのだ。そのダイノの正体を突き止めるため、研究者は多くの同業者に協力を要請するが、誰からも断られる。

 そして、その要請の電話はある一人の人物に辿り着く。環境問題に興味を持ったことから科学者を志した、ジョアン・バークレーという、研究者としては駆け出しの女性であった。ジョアン・バークレーは渋々ながら研究に協力し始めるが、やがてこの奇妙なダイノの、更に不思議な生態に迫って行く。そして、このダイノが植物ではなくて動物であること、魚を殺してはどうやら餌にしているらしいこと、更に様々な態様をとり、過酷な状況でも平然と生き延びるらしいこと、等等。

 研究を進めるうちに次々明らかになる、このちっぽけな生物のもたらす毒は、研究者にも襲い掛かる。どうやら、彼らの出す有毒物質は人間の精神にも大きなダメージを与えるようなのだ。そして、彼らはどうやら河川で発生する魚の大量死、死んだ魚の腹にぱっくり開いたキズの原因ではないかと考えられたのだが・・・

 この先は、微生物ではなくてなんと行政機関との戦いになっていく。富栄養化に伴う生態系バランスの変化によって恐らくダイノは解き放たれたのだろうが、行政は決してその事実を認めない。それどころか、ジョアン・バークレーに対して政治的な攻撃が行われるに至る・・・

 大まかにいうと、本書の内容は3つに分けられる。一つは、ジョアン・バークレーや彼女を取り巻く人々がどのようにこのダイノの正体を明らかにしていったか、という純粋に学問的な追及の部分。二つ目は、科学者同士の政治的な諍い。研究費用を自分で取ってこられるようでなければろくに研究もできない土壌や、一番でなければ意味がない、というレースがこの諍いを産んでいるのであろうが、実に熾烈で奇麗事では片付かないことがよく伝わってくる。三つ目は、行政との戦いである。日本での水俣病をはじめとする環境問題や薬害エイズをはじめとする薬害問題において、行政の対応の拙さは良く知られているが、官僚組織はどこも変わらないのだということを実感させられる。

 この奇妙な微生物の生態は、それだけで十分に興味深くて生態が明らかにされている様を追いかけるだけでも十分に面白い。ダイノの毒にさらされたのがジョアン・バークレーとその助手であったことから、その毒性のもたらすダメージについても迫力をもって伝わってくる。行政との戦いについては、彼女の性格もあるのであろうが凛として立ち向かっている姿に共感を覚える。

 これはただ単に反政府的な行動が格好いいなどといったものではなくて、例えば水質の調査として、溶け込んでいる窒素分が問題になるのだが、行政側は酸化処理によってアンモニアが激減した証拠を出すが、これはただ単にアンモニアが酸化によって水と窒素酸化物に分解したに過ぎず、窒素分の減少にはつながらない。にも関わらず、行政側はこのような”証拠”で無駄に安全を言い募っている。また、魚の大量死は水中の酸素分欠乏によって説明されると主張しているが、大量死の起こった水域での酸素濃度は問題がないレベルであることが明らかになっている、等々・・・
 明らかになった事実を、どのように現実世界に展開していくか、についてもとても考えさせられ、一気に読ませてくれる面白い本であった。環境問題や微生物に興味のある方にはお勧めしたい。
関連記事
スポンサーサイト
生物・遺伝・病原体 | 2004/06/12(土) 14:01 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

18冊目 戦争の科学
戦争の科学

アーネスト・ヴォルクマン著 / 茂木 健訳 / 神浦 元彰監修

主婦の友社 (2003.9)

\3,150

評価:☆☆☆

 科学はその昔から戦争に利用されてきた。第一次大戦以前に使われた大砲には砲弾の予想として数学が用いられ、第一次世界大戦で使われた毒ガスは化学の、第二次世界大戦で使用された原爆はもちろん物理学の成果である。原爆製造に従事した科学者から後にノーベル物理学賞を得たものが多いのは厳然たる事実であるのだ。たとえばそれは朝永振一郎とともにノーベル賞を獲ったリチャード・P・ファインマンであったり、ハンス・ベーテであった。そして、彼らは決してしぶしぶではなく原爆の製造に参画していった。

 本書は、戦争に利用されてきた科学について古今の歴史を追っている。時代はローマ時代から現在まで、兵器は攻城機や長弓や弩から毒ガス、生物兵器、核兵器といった大量破壊兵器まで実に様々なものが記されている。

 そして、戦争に勝つには優れた技術が必須のものであると結論される。

 科学というか、工学の部分も多いのではあるが、確かに戦争の帰趨に科学が大きな力を発揮したのは間違いない。そういった観点で見るには本当に色々なケースが取り上げられているので参考になる点が多いと思う。しかし、問題は残っていると思う。著者は国家の握る科学の進展具合と戦争の帰趨が極めて強固な因果関係で結ばれていると主張しているが、そうではない事実も多々あるように思われるのである。それは例えばベトナム戦争である。

 ベトナム戦争におけるベトナム軍の背後にソ連が存在したことは間違いのない事実であるが、それを考慮してもアメリカ軍の科学とベトナム軍の科学は比べ物にならなかった(それについても多少は本書でも触れられている)。しかし、例えばアメリカ軍が暗号の運用を誤った結果、軍事行動が筒抜けになってしまい、多くの作戦が無効になったことが敗北の少なからぬ要因である、といった科学に関係のない部分の記述が見られない。

 なので、冷静に眺めて見ると「科学が戦争の帰趨に大きな影響を与えたケース」の集大成のようにも感じられる。戦争の帰趨には多くの要因がかみ合っていて、決して単一の要因のみで説明することはできない。それはあまりに複雑な事象であるからであろうが、そのような観点が抜け落ちているようで残念である。しかし、「科学が戦争の帰趨に大きな影響を与えたケース」の集大成としては面白い本なので、戦争と科学の関わり、科学者と戦争の関わりに興味がある方にはお勧めしたい。
関連記事
技術 | 2004/06/07(月) 14:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。