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1621冊目 「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
(2014/06/25)
NATROM

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評価:☆☆☆☆☆


 テレビを見ない、雑誌も読まないといった私の目にすら、怪しげな健康法が目につく。○○を食べれば健康になるだとか、ガンが治るだとか、放射能を分解するとか、凡そ信じられないようなものだ。多くの人は、普段ならこんなデタラメに騙されることはないだろう。しかし、自分や親しい人が死にかけたらどうだろうか?

 母が病に冒された時、母の兄(私の伯父)は、アガリクスを勧めてくれた。その時にはまだ分からなかったが、伯父もまた死病に冒されていた。2人とも正統的な医療を受けるのと平行してアガリクスを煎じて飲んでいたが、助かることはなかった。病気の内容を考えれば、それが必然的な帰結だったと思う。治療にあたってくれた医療関係者へは感謝の念しか無い。

 こうした時、すがる気持ちは分からなくもない。だが、私は当時から効果に疑問を抱いていたし、己が同じ立場になったとしても、代替医療に頼る気はない。何故か?効かないからだ。

 確かに、こうした代替医療には奇跡を謳うような体験談が並ぶ。しかし、仮に体験談が事実であったとしても、それは効果があることの保証にはならない。どれだけ体験談を積んでも同じだ。例えば、インフルエンザに罹った人が居るとしよう。その人物に抗生物質を処方するとする。彼ないし彼女は回復するだろう。では、それは抗生物質を摂ったためだろうか?違う。インフルエンザに抗生物質は効かない。抗生物質は、細菌には効くがウイルスには効かないからだ。インフルエンザから回復したのは、自然治癒に過ぎない。

 同様に、ガンと言われて代替医療に頼って、暫くしてから受診するとガンではないと言われたとしよう。だとすれば、最も高い可能性は、もともとガンではなかった、ということだ。

 誤診ではないかと色めき立つ方も居るかもしれないが、これはガンによる死者を避けようとしたら当然のことだ。ガンであるかも知れない人をできるだけ広く掬いあげて精密な検査をしようとすれば必然的に起こるのである。逆に、精度よくガンである人だけを最初のスクリーニングで拾い上げようとすると、実際はガンなのに拾い上げられない人が出てくる。前者を第一種過誤、後者を第二種過誤と言う。どちらがより問題かといえば、後者だろう。

 本書は、こうした効きもしないのに誤解や悪意によって広まってしまっている代替医療を厳しく批判するものだ。

 類書は、少なからず存在する。そうした中で本書の価値が高いのは、日本で蔓延る問題にスポットライトを当ててくれているところだろう。

 抗癌剤は毒にしかならないだとか、ワクチンは全般に打たなくて良い、特に子宮頸がんワクチンは効果が薄く害の方が大きいといった類のことを聞いたことがある方も多いだろう。どれも間違いだ。ワクチンの最大の恩恵は、致死率が40%にも及ぶと言われる天然痘の駆逐や、四肢の不随を伴う小児麻痺といった病気を身近から追放できたことにある。それと同じことを、麻疹のような病気にも行うべきだ。天然物信仰によって自然に罹り自然に治癒することを目指すというのは、実は危険である。というのも、ワクチンは無毒化あるいは弱毒化されているが、天然株ではそのようなことはない。善意のつもりが重篤化させるリスクがある。

 ホメオパシーについては山口県で愚かな助産師により赤ん坊が死亡した痛ましい事件が有名だろう。これも批判されているし、他にもOリングテストやらガンに炭酸水素ナトリウムが効くといったことも取り上げられている。

 現代医療、代替医療と論じて、最後には健康食品についても批判の矢が突き刺さる。色々なものをバランスよく食べる、塩分は控えて野菜は多めに、といった基本を守る以外に、健康に益する方法は無い。また、一度病気になってしまったものを食べて治すのはナンセンスだということが良く分かる。というよりも、それを教えてもらわないと行けないというのが困った状況なのだろうが……。

 聞いたこともないような珍説奇説についてもきちんと取り上げ、根拠を示した上で批判しているのは、藁にもすがりたいという人々へもためになるのではないだろうか。特にアガリクスにかぎらず、健康と信じることによって逆に健康を損ねるケースもあることが紹介されていることは大きい。やはり、治療の際に頼るのは、きちんと統計的に正しさを示された方法にするべきだと思わされた。

 読みやすく分かりやすく、しかもためになる。素晴らしい本。特に、心が弱まったときにこそ読みたい本。

 ちなみに、私はガンを宣告された時にも代替医療に頼ろうなどとは露ほども思わなかった。次に病気になった時にも同じようでありたいものだ。
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医学・脳・精神・心理 | 2015/02/09(月) 19:44 | Trackback:(0) | Comments:(10)

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1447冊目 ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか
ヒューマン  なぜヒトは人間になれたのかヒューマン なぜヒトは人間になれたのか
(2012/01/20)
NHKスペシャル取材班

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評価:☆☆☆☆


 ヒトはいかにしてヒトになったか。その問いに応えるべく、様々な分野の科学者が研究に取り組んでいる。本書は、そんな人類学の最新の成果を探るドキュメンタリーである。

 6万年程前にアフリカを出た少数の集団が、その後世界中に散っていった。農耕を始め、都市を築き、文明を発展させてきた。その歴史は、決して平坦なものではなかった。

 そもそも、原始の人類社会が常夏のユートピアであれば、人類がアフリカを出なければならないような理由は無い。となると、何らかの理由で、人類はアフリカから出ざるを得なかったのだ。

 74,000年程前にインドネシアのスマトラ島で起こったトバ火山が、その候補に挙げられている。過去10万年で最大と言われるこの火山で、地球の平均気温が10〜15℃も下がったと考える科学者もいる。本当だとしたら哺乳類より気温の爬虫類や両生類で絶滅が多数見られるだろうから、まあここまで極端な変動は無かったと断じて良いだろう。しかし、この時期の寒冷化が人類進化に与えた影響は小さなものでは無さそうだ。

 興味深いのは、シラミのミトコンドリアDNAから他のホモ属と交配があった可能性が指摘されること。人類のDNAからも少数の交雑があったと示唆されるらしい。原生人類は先行するホモ属を総て排除したわけではないかもしれない。

 農耕の始まりも、宗教と関連があるかも知れないというのは面白い。農耕が始まり、余剰な食料が生まれたことから祭祀を行う余裕が生まれたと思ってきたが、逆に祭祀を行うために農耕が生まれた可能性もある、と指摘している。労働力の余剰ということであれば狩猟採集の方が大きい(労働時間は農耕民族の方がずっと長い)ことを考えると正しいかも知れない。

 環境考古学の視点からもアプローチがあるのは面白い。古代ギリシアの発展と崩壊を追っているが、塩害等の土壌の問題はローマやマヤ文明でも起こっていることで、そこに言及が無いのはちと残念であるが、テーマが散漫にならないよう、このレベルで留めるのも良いかも知れぬ。

 ただ、"すべからく"を総ての意味で使っている(P.256)のは頂けない。君たちはプロなんだから、須く〜べしと言葉を正しく使ってくれ。

 類書として、ジャレド・ダイアモンドの『昨日までの世界』や『土の文明史』、『環境考古学入門』等があるので興味を持った方はどうぞ。

 一流の本は巻末の参考文献リストが充実していると一般に言われるが、本書にはそもそもそんなページが存在しないので、残念極まりない。出版社は改めて頂きたい。
医学・脳・精神・心理 | 2014/05/16(金) 18:04 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1410冊目 脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか
脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか (岩波科学ライブラリー)脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか (岩波科学ライブラリー)
(2013/06/06)
金井 良太

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評価:☆☆☆


 主な研究テーマは"認知神経科学からのアプローチによる意識研究と、脳科学の現実世界への応用技術"という何やら難しげなことをやっている著者による、より過ごしやすい社会を作るために脳科学が何をできるかというアプローチ。

 性格や能力は、かなり遺伝の影響を受ける。養子に出された双子の研究から、もう明らかにされたことだ。

 であるからには、保守やリベラルといった政治的な好みや、友人との付き合い方、宗教心といったようなことが遺伝で強く規定されているとしても不思議はない。

 本書は、善だとか幸せといった抽象的な概念でありながら重要なことが、脳にしっかり組み込まれているということをMRIを使って示そうとしている意欲的な試みである。

 リベラルと保守とでは、幾つかの質問に関して脳の働く部位のサイズに有為な差があるらしい。脳がモジュール化されている器官であることを考えればそう不思議な話ではないだろう。それが違いを生む原因なのか、違いがあることの結果なのか、そもそも因果関係が存在するのかといった様々な疑問が浮かびはするが、まず入り口としての問題提起であると思えば、興味も湧いてくる。

 "フェイスブックの友人の数と脳の構造との関係を調べたところ、社会的な信号の知覚に関与すると思われる中側頭回と上側頭溝の大きさが、フェイスブック上での友だちが多い人ほど、大きいということがわかった。他にも、扁桃体と嗅内皮質の大小もフェイスブックの友だちの数と相関していた"とあるが、そもそも社交性は遺伝の影響が強いと指摘されていて、であるからにはそれが脳の構造に反映されていてもおかしくない。友人の多さが遺伝であるとしても不思議はないだろう。

 それが脳の機能的な問題であり、働き方が規定されているというのなら、脳科学的に対応することもできるかもしれない。仮にこれが正しいなら、人間関係が上手く行かない人に特定のトレーニングをして脳の特定の機能を強化することで、人が豊かな生活を送る手助けができるようになるかもしれないと思うと面白い。タクシー運転手は空間認知に関する部位が他人より優位に大きいことを考えれば、そうしたトレーニングは必ずしも無駄ではないと思われる。

 脳科学が、より豊かな人生を送るためにどう役に立つか。それを教えてくれるところは面白い。
医学・脳・精神・心理 | 2014/04/01(火) 19:38 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1404冊目 世にも奇妙な人体実験の歴史
世にも奇妙な人体実験の歴史世にも奇妙な人体実験の歴史
(2012/07/06)
トレヴァー・ノートン

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評価:☆☆☆☆☆


 人間の体はどうして死ぬのか。定性的に言うのは簡単だ。酸欠、潜水病、感染症、低圧、高温、低温、エトセトラ。しかし、医学を科学たらしめるにはそれだけでは足りない。なんとなれば、そこには"どれくらい酸素が無ければ人は酸欠で死ぬのか"だとか、"どのようにすれば人は感染症に罹るのか"、"どれほど高くに登ればどれほどの危険があるのか"といった、定量的な議論がないからだ。

 しかし、それらの問いに答えるのが難しいのは分かろう。なにせ、それらを知るためには、死なないギリギリを知らなければならないからだ。答えを知るには、死にかける人が必要となるのである。

 本書は、その謎に挑んできた人々の戦いの記録である。

 人体実験には2種類ある。ひとつは、ナチスや731部隊で実施していたおぞましい類。それは、他者の体を用い、しばしば実験者の好奇心を満たすためだけに他者の命を易易と奪うことになったもの。しかし、本書はそんなものを取り上げているのではない。もう一つの、人体実験でありながら気高く、勇気に溢れたものである。なぜそう言えるのか?それは、実験に用いる体が自分のものだから、である。

 冒頭を飾るのは、かのジョン・ハンター(尚、彼は先日レビューした『
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』のダニエル先生のモデルである)。彼は思った。梅毒と淋病は進行段階が違う一つの疫病なのではないか?と。思ったからには実験する。自分の体で。その結果、彼は淋病にだけ罹るつもりで梅毒に罹ってしまうのだ。二つは異なる病気なのだから当然といえば当然かもしれない。

 本書にはこれに類する話題がぎっしりと詰め込まれている。麻酔の効き目であったり、どんなものを食べることができるのかだったり、寄生虫感染症との戦いで住血吸虫症を研究するために自分が感染してみたり、プルトニウムの吸入実験を行ってみたり、栄養不足で何が起こるか確認してみたり、自分の心臓にカテーテルを通してみたり、爆発や毒ガスに身を晒してみたり、大西洋を漂流して海水の飲用可能性を確かめたり(少量ずつであれば問題ないらしい)、サメの生態を確認しようと一緒に泳いでみたり、遥か海底や上空に挑んだり。

 その性格上、医者の話題が多い。黄熱病の感染経路を確認するためのボランティアが黄熱で死亡したり、エボラを封じ込める中でも患者は助けようと救助に向かい命を落とした医師もいる。だが、彼らは自分の命が失われることですら、知を発展させるためには惜しくないと思っていた。彼らの偉大なチャレンジがあって、今の我々がいる。そこには本当に感謝だ。

 この手の話題になったら確実に顔を出す、科学史を彩る奇人変人の中にあっても永遠にその名を留めるであろうJ・B・S・ホールデンはやはり健在。潜水病の解明、ナチスの使う毒ガスから兵士を守るために塩素ガスの充満する部屋でテストに励んだり。彼の姿を見るためだけでも本書を読む価値があると言えるほどだ。

 戦場で命をかけることばかりが勇気じゃない。勇気と使命感と、そして好奇心に満ちた人々の熱い戦いを描いた一冊。意外な視点から人類の知の歩みを明らかにしてくれているところがたまらなく面白かった。


関連書籍:
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
(2013/09/05)
皆川 博子

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自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
(2007/02)
レスリー デンディ、メル ボーリング 他

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人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)
(2008/05/02)
フランセス アッシュクロフト

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医学・脳・精神・心理 | 2014/03/25(火) 19:50 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1394冊目 “放射能”は怖いのか―放射線生物学の基礎
“放射能”は怖いのか―放射線生物学の基礎 (文春新書)“放射能”は怖いのか―放射線生物学の基礎 (文春新書)
(2001/06)
佐藤 満彦

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評価:☆☆☆☆


 まず、本書が刊行されたのは2001年であることを述べておく必要があろう。つまり、東日本大震災と、それに伴う原発議論が生まれる前に書かれたということだ。311後に雨後の筍の如く湧きでた放射能の危険を過剰に煽る、あるいは過度に安全だとする意見とは一線を画している。

 次に、著者の姿勢として、原発の経済性といった価値判断に踏み込むこと無く、純粋に放射線生物学の立場から、どのような放射線を・どのくらい浴びたら・どのようなことが起こるのかを冷静に見つめようとしているところがある。

 この2点から、311後の状況を考えるに当たり、本書の価値が高いことは間違いないと思う。

 本書はまず、とかく混同されがちな"放射能"、"放射線"、"放射線物質"をきちんと区別して、正しく用いるべきだと説く。その理由は"科学的自称の厳密な記述を妨げるだけでなく、生体にとって本当に怖い実態についての人々の認識や理解を誤らせる(P.19)"とする。指摘の重さには頷くしか無い。

 続いて、α線、β線、γ線がどのような物理的性質を持ち、そこから導かれる生体への影響はどのようなものか、という基礎からきちんと説明されている。

 途中で発ガンに関して言えば被曝線量と発ガン率にしきい値は無く直線的な関係があるとしていて、疑わしいと感じた。これは広島・長崎の被爆者のうち、低線量の方々では統計上明らかに発ガン率が低下しているという事実を説明できない。ラムサールのように、年間400mSv以上被曝するところでも発ガン率の顕著な上昇は見られないこととも矛盾する。

 そう思っていたら、きちんと自然放射線レベルが通常の3倍程度である中国ではむしろ発ガン率が低いこと、アメリカのロッキーフラッツ・プラントでプルトニウム239の吸入を伴う作業に従事していた作業者についての調査では、ガン死は対照群の70%、最も懸念される肺ガンでは14%との数字が出ているとのことも紹介されていて、バランスのとれた記述に感銘を受ける。

 放射線についてはホルミシス効果を認めて然るべきであろし、低線量では発ガンはむしろ抑えられるとする知見には十分な科学的根拠があるとすべきだろう。

 また、世界各地で起こった被曝事故についての紹介があるのも貴重だ。『人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用』と共に、放射線障害について正しい知識を得るための本としてお勧めできる。


 同著者の他の本として『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿―科学者たちの生活と仕事』とあるのを見て驚き。こちらも面白かったのでお勧めしたい。


関連書籍:
ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿―科学者たちの生活と仕事 (中公新書)ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿―科学者たちの生活と仕事 (中公新書)
(2000/08)
佐藤 満彦

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人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用 (ブルーバックス)人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用 (ブルーバックス)
(1998/12/18)
近藤 宗平

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医学・脳・精神・心理 | 2014/03/13(木) 19:58 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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