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Author:Skywriter
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1611冊目 今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機
今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機
(2009/12/16)
丸山 茂徳

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評価:☆☆☆☆


 地球は人間の排出した二酸化炭素のせいで温度が上がり、それは環境を大きく変えることで生物多様性に大ダメージを与えようとしている。

 地球温暖化論に対して、様々な懐疑論がある。しかし、本書は懐疑論ではない。むしろ、対立する説の提示であるというのが相応しいだろう。地球は今、寒冷化している。そして、寒冷化こそが、真に人類へ大ダメージを与える、と著者は述べる。

 京都議定書が採択されたのは、1997年。その時から、二酸化炭素の排出量は減少どころが激増している。ひとつは、先進国の削減が進んでいないこと。いや、日本のようにむしろ増加しているところがあること。そして、中国の経済伸張に見られる、経済成長の著しい国々からの排出量が増えていることによる。

 もし、二酸化炭素による温暖化論が正しいのなら、地球の温度上昇は輪をかけて上昇しているはずである。それが、モデルに基づく理論の予想するところであろう。では、実際はどうだろうか?こちらのリンク先をご覧頂きたい。石井吉徳Blog: 地球は有限、資源は質が全て

 2010年までのデータしか無いが、二酸化炭素濃度は戦慄すべき勢いで上昇しているのに対して、気温は2003年をピークに、むしろ下降している。ということは、モデルがどこかおかしいということだ。何がおかしいのか?それは、地球の気温に関与しているのが二酸化炭素を始めとする温室効果ガスだけであるという前提である。その前提で、事実を説明できないのであれば前提が間違っているのだ。

 本書は、もっと他のメカニズムによって、地球は寒冷化に向かっていると警鐘を鳴らす。その中心にあるのは、太陽活動。

 地球には様々な宇宙線が降り注いでいる。この高エネルギー粒子は大気上層部で空気と衝突し、イオンを生む。イオンは水滴の核となる。つまりは、雲が増えるのだ。雲は太陽光を効率的に反射してしまう。宇宙線の入射量と、地球の気温の間には大きな関係があるのだ。

 太陽が活発でも低調でも、地球が受け取る太陽の熱エネルギーはほぼ変わらない(だから、太陽定数と呼ばれる)のだが、この宇宙線入射量に対して太陽の活動が関係してくる。太陽活動が活発だと、この宇宙線を防いでくれるのである。ということは、太陽活動が低下すると入射する宇宙線の量が増え、雲が増え、宇宙に跳ね返される太陽からの光の量が増える。すると、地球の温度は低下するというわけだ。

 こうしたメカニズム以外にも、地球の温度を大きく変えるミランコビッチサイクルと呼ばれるサイクルもある。

 著者は、上記のような根拠と、実際に地球の気温が低下していることから、温暖化論を厳しく批判している。むしろ、寒冷化に備えるべきである、と。気温の低下、特に夏季の温度低下は食料生産を直撃するのだから、温暖化よりも寒冷化を懸念するのは当然のことだろう。

 プルームテクトニクス論を唱える等、地球のダイナミックな動きについて常に考え続けてきた著者だからこその説得力。温暖化論に関心がある方は是非読んでみて欲しい。ただ、温暖化を批判しようとするあまり、アンケートで「今後一方的に気温が上昇するか?」というアンケートでいいえと答えた科学者が多いと、温度上昇とはまた異なる観点のことを聞きながら、読者には科学者の多くが温暖化に賛成していないと考えさせるように書くのはミスリードを誘うと言われても仕方がないと思う。例えば、一方的ではなく、昇降を繰り返しながら平均としては上がっていくという人は上記の問いにはいいえと答えるしか無いからだ。

 こうした点もあるが、その確かな視点と事実の提示からは得られるものが多いと思う。
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環境 | 2015/01/12(月) 19:10 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1601冊目 竜巻ーメカニズム・被害・身の守り方ー
竜巻ーメカニズム・被害・身の守り方ー竜巻ーメカニズム・被害・身の守り方ー
(2014/08/21)
小林文明

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評価:☆☆☆


 地上と天を結ぶ猛烈な渦、竜巻。ひとたび発生し、市街地を通過しようものなら家が破壊されることも少なくない。それだけの破壊力を持つものだ。昔の人が、天に登らんとする龍の姿をそこに見たとしても、自然なことに思う。

 この竜巻、そもそもどうして発生するのだろうか?どのような被害を生むのだろうか?そして、どうやったら身を守ることができるのか?そうした疑問に丁寧に答えてくれているのが本書。

 上昇気流が積乱雲を作る。この時、積乱雲の中では断熱膨張によって温度が下がり、飽和水蒸気圧が下がることで気体だった水が液体へ変わり、地上へ引かれて落ちてくる。この下降気流が上昇気流を打ち消すと、積乱雲の成長は止まるのだが、上空に乾いた風が吹いているとこうした動きが起こらない。上昇気流の側面を通るように下降気流が流れることで雲は成長を続け、下降気流もまた太くなる。こうした状況で、竜巻が起こりやすいという。

 他にもメカニズムがあるそうなのだが、竜巻にも上層、下層で全く異なる構造があるとは知らなかった。

 この竜巻の大きさを表すのに、藤田スケールという尺度が使われる。名前は知っていたのだが、どうして竜巻のようにアメリカで多発する天災の尺度に日本人の名前があるのだろうと思っていたら、藤田哲也さんはアメリカで研究されていたんですね。納得。

 しかし、改良藤田スケールで言うEF5なる尺度だと、"強固な建造物も基礎からさらわれてぺしゃんこにな"るというから恐ろしい。0.1%未満というけど、この手の災害は強度と頻度が対数的に変化するものだから、0.1%の中のそのまた0.1%だと凄まじい被害になりそうだ。これは、恐ろしいことにたった100万分の1にすぎない。ハリケーンが毎年何十、何百と発生していることを考えると、特に。

 もし竜巻が発生したら、大きな建物は意外と脆いようだ。スーパーや体育館などは通常の戸建てより弱いというので、逃げこむには向かない、という。マンションでも、猛烈な風が重量物を吹き飛ばしてくるので、分厚いガラスでも被害を防ぐことはできない。そしてガラスが一箇所でも破られると、内圧が猛烈に高まって反対側の窓が割れ、風の通路ができると破片やら礫やらがそこを一気に通過するため危険だという。

 だから、被害を最小限に防ぐためには窓の小さな小部屋、具体的にはトイレや風呂場に逃げこむのが最良というのは勉強になった。そのような災害に見舞われるのは嬉しくないが、万が一に備えて覚えておこう。

 このように、竜巻に関する多くの話題を広く浅く取り上げているので、入門書に向いている。特に、防災については、我々一人一人が覚えておいて損することは絶対に無いだろうから、こうした本はありがたい。実は関東圏は竜巻多発地域でもあるということなので、関東在住の方はここだけでも目を通して損はないと思う。
環境 | 2014/12/16(火) 19:57 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1581冊目 NHKスペシャル 北極大変動―加速する氷解/資源ビジネスの野望
NHKスペシャル 北極大変動―加速する氷解/資源ビジネスの野望NHKスペシャル 北極大変動―加速する氷解/資源ビジネスの野望
(2008/11)
NHK「北極大変動」取材班

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評価:☆☆☆


 北極において、驚くほどの変化が起こっている。地球温暖化の影響をより受けやすい極地故の現象であり、中緯度地域に住む我々にはなかなか実感が湧いてこない。この大異変の実像を描いたのが、本書。

 北極圏を象徴するホッキョクグマの姿を収めるべく、スバルバル諸島に向かった取材班は驚くべき現象を目の当たりにする。氷が、無いのである。北極の氷量は、短期的にはともかく長期的には減少傾向にあることが知られる。これはワモンアザラシの営巣地を奪い、ワモンアザラシを捕食するホッキョクグマを危地に追いやる。

 平等を期して言っておけば、過去極地は今よりも3度以上暖かかった時代もあり、ホッキョクグマはその時期を生き延びている。むしろ、人間による乱獲が問題なのだが、残念なことにNHKはそうした平等さを訴えることはなく、ただただ温暖化が問題だ、ホッキョクグマはこのままでは絶滅してしまう!な、なんだってーーー!!に終始してしまうのは困ったものだ。

 氷が解けてしまうと、氷より海水は太陽光を吸収するため、更に温暖化が進み氷が更に解ける、と正のフィードバックによって破局が起こると警告している。確かに、このフィードバックは夙に指摘されることで、逆方向に向かわせるためには何らかの大きな変動が必要なのかもしれない。

 こうした、極地の大変動を探ったのが前半なら、後半はむしろ大変動が一部の国や企業には役立っているという意外な側面を描く。化石燃料の採掘、である。

 北極圏には膨大な地下資源が眠る。厚い氷が覆ってたほんの僅か過去の時代、アクセスは困難を極めていたが、氷が解けたことで開発が急速に進んでいる、という。水深4000メートル級のところから化石燃料を掘り出すことができると聞くと、その技術力の高さには驚かされるばかり。

 一方で、こんなところまで開発しなければならないということの深刻さも感じるべきだろう。簡単に得られる化石燃料は、もうほとんど採り尽くされてしまった。代替エネルギーの開発が必要なのはそうした事情にもよる。二酸化炭素による温暖化が事実だろうと誤りだろうと、化石燃料を湯水のように使う現在のエネルギー政策からは早急に抜けだす必要がある。原発もまた、核燃料は遅かれ早かれ枯渇するのだから、最終的な解決にはなり得ない。我々が生きている時代は大丈夫だとしても。再生可能エネルギーの開発が大切なのは間違い無さそうだ。

 変わりゆく北極の姿と、そこから派生した資源ビジネスの姿から、人類文明の行く末を考えさせられた。
環境 | 2014/11/21(金) 19:35 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1569冊目 武器なき“環境”戦争
武器なき“環境”戦争 (角川SSC新書)武器なき“環境”戦争 (角川SSC新書)
(2010/09/10)
池上 彰、手嶋 龍一 他

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評価:☆☆☆☆


 共にフリーのジャーナリストで、分かりやすい解説で定評のある池上彰、手嶋龍一お二人が、環境問題を優しくかつ深く論じたもの。二人とも、環境問題こそが今後の世界の行方を大きく変えていくものだと認識し、その上でどのような問題があるのかを縦横に論じている。

 まず俎上に乗せられるのは、石油メジャーのBPがメキシコ湾で起こした海底油田の漏出事故。海底油田開発の難しさ、BPが持つ情報戦略の能力の高さと、並みの環境本とは違う視点から述べているところが興味深い。特に、この対応を誤ったオバマ政権が失望を買ったというのは、つい先の中間選挙でオバマ民主党が歴史的な大敗を喫した点からも注意して見るべきポイントだろう。

 問題は、この深刻な問題が日本ではほとんど論じられなかったこと。著者らはそれを批判しているが、ジャーナリズムの限界は国民の限界である。日本人がこうした問題をきちんと把握しようと思わないから、ジャーナリズムも国民のレベルに合わせた報道をやっているのだ。我々はもっと賢くならなければらならない。

 本丸は当然のように二酸化炭素による地球温暖化について。歴史上、二酸化炭素濃度が上昇してから気温が上昇したという事実を踏まえると、私はどうしても懐疑的にはなるが、化石エネルギーからの脱却は喫緊の課題であるのは間違いない。そうした点で、原発の利用は避けられないし、原発で逃げている間に真に重要な核融合エネルギー、その他の代替エネルギーの開発に注力しなければなるまい。

 閑話休題、本書で指摘されているのは、二酸化炭素削減を定めた京都会議が、各国の様々な思惑を丁々発止で戦わせる舞台であったという事実である。日本は、定見がないままにこの会議の議長役を努め、内実はすべてイギリスに握られてしまった、という。実際、削減目標は日本にのみ不利になっていて、排出の取引により日本は今後長期間に渡って凋落傾向となることが確実である。

 こうした国際政治について、きちんと理解しておくことは重要であろう。

 また、懐疑論にもきちんとページを割いている。温暖化論に大きなダメージを与えたクライメートゲート事件(科学者が気温の上昇曲線を作るため手に"トリック"を使った等、捏造を示唆する情報がクラッキングによって明らかになった事件)なんかは、温暖化論の中ではまず出てこない。

 上記のように、本書は環境問題について本当に様々な論点から述べているため、とても勉強になる。新書に求められることは全て満たされていると言って過言はあるまい。そんなわけで、環境に興味を持ち始めた人は入門書として、既にある程度の知識を持っている人は違う視点を知るためとして、格好の本である。
環境 | 2014/11/08(土) 19:55 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1545冊目 大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか
大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか
(2008/01)
ガブリエル ウォーカー

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評価:☆☆☆☆☆


 科学書コーナーを巡っていて、著者の名前に目が止まった。ガブリエル・ウォーカー。どこかで目にしたことがあるぞ!私の脳が高速に検索を始める。だがしかし、我が灰色の脳細胞はやはりポンコツであった。ようやく著者の正体に気がついたのは、著者来歴の過去の著作リストで、『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』を見つけた時であった。あの面白い本を書いた人なら、こちらも期待できるぞ!

 地球が火の玉状態を終えるのとほぼ同時に、生命の誕生が起こったようだ。それを見ると、生命の誕生は実にありふれた出来事のように思える。しかし、生命に何が必要かを考えていくと、地球が幾重にも生物を守るバリアを用意してくれているかのような錯覚に陥ってしまう。

 とんでもない冒険的な行為から、本書は幕を開ける。遥か遥か上空からのダイビング。その高さ、なんと、約31キロ。私のような高所恐怖症の人間には、想像するだけでも胃が縮み上がるような行為だ。しかし、ちょっと考えてみて欲しい。地球の生命は、たったこの31キロの層で守られていると言っても過言はないのである。地球の半径6400キロから比べたら、20分の1にも満たない、薄皮一枚で。

 本書がまず教えてくれるのは、熱について、である。実は、太陽からの熱と放射性物質の崩壊熱だけが熱源だとすると、地球の温度はもっと遙かに低くなる。水は液体として存在することは無く、従って生命の誕生もありえない。今の地球が液体の水を持つ環境なのは、水蒸気を始めとする温室効果のおかげだ。

 そこに辿り着くまでに、迂遠とも思えるような話の持って生き方をする。大気が実態を持った何かであることをはっきりと示したボイル(ボイルの法則のあの人)、今も大気圧の単位にその名を刻むトリチェリから、酸素を発見したプリーストリー、彼の乱雑な実験をより内容を深めた人物であり、フランス革命で断頭台の露と消えたラボアジエと言った、科学史に残るビッグネームが続々と出てくる。特に、ラボアジエは化学の父とも呼ばれるのだが、彼が処刑されるに至る事情にまで踏み込んでいるので、科学史に加えて伝記の側面もしっかり持っている感じだ。

 酸素の発見と比べると、二酸化炭素の発見史はもっと知られて良いだろう。ジョゼフ・ブラックやスティーブン・ヘイルズといった人物が取り上げられているのだが、恥ずかしながら名前を知らなかった。彼らが動物実験や燃焼実験を繰り返し、二酸化炭素を見つけて行った歴史は、今や中学生でも当たり前にやる実験の裏に天才たちの深い洞察に満ちた発見の歴史があったことを教えてくれる。

 だが、何と言っても知られていないのはウィリアム・フェレルだろう。彼は、地球規模での熱循環について、多大な発見を為した人物である。本書が面白いのは、彼の話題に辿り着く前に、コロンブスの新大陸発見という、大気とは全く関係のなさそうな人物を持ってくるところだ。そして勿論、コロンブスは単なる脱線ではない。ともすれば無味乾燥な事実の羅列になりがちなノンフィクションを最高級に面白い傑作とするために不可欠な優れた導入部なのである!

 気がつけば、複雑な熱循環の概要を知ることができているのは何とも嬉しい。

 地球の平均気温の推移が、二酸化炭素濃度と綺麗に歩調を合わせているという指摘は良い。しかし、それを書くなら、"二酸化炭素濃度が変わるのは平均温度が変わってから"という事実も書いて欲しかった。こちらは実に簡単なメカニズムで、気温が上がると海に溶け込んでいる二酸化炭素が大気中に放出される(気温が下がった場合には溶け込む)ためである。セレブな皆様なら、シャンパン(スパークリングワインなんてケチなものではなく)、私のようなブルーカラーならビールを思い浮かべれば良い。ぬるくなるとすぐ炭酸が出てくる、あの現象が地球規模で起こるという話だ。

 後半は、宇宙に満ちた脅威から大気がどれほど生命を守ってくれているかを教えてくれる。そこには、3つの層が絡んでいる。有害な紫外線から地球を守ってくれるオゾン層、X線で細胞が焼きつくされるのを防いでくれる電離層、そして大量の放射性物質の侵入を防ぐヴァン・アレン帯である。

 これらも、また実に面白い!オゾン層のフロンによる破壊についてはジェームズ・ラブロックが否定側にたったというのも面白い。権威だのなんだのから自由だった彼らしくないように感じもするが、ガイア仮説が行き過ぎて環境は強力な復元力を持つと信じていたのであれば無理からぬ気もする。

 電離層では、何故かマルコーニの話になる。無線を発明した技術者である。そして、その使われた1つの例として、悲劇の豪華客船タイタニック号も深く取り上げられているので読み応えがある!まだ定められたばかりのSOSを無線で発したことが繋がるのだ。そして、なぜ無線が地平線や水平線を超えた彼方にも届くのか、という疑問から電離層に話を持っていく。

 勿論、ヴァン・アレン帯についてはヴァン・アレン教授のイキイキとした好奇心や、オーロラについても話題がでる。

 本書で語られるのは、発見の歴史であり、科学者の生き様であり、知の興奮であり、大発見を前にした政治的・社会的な動きであり、そしてなによりも、地球が奇跡のようなバランスの上に成り立っているという事実である。勿論、大数の法則で説明のできることなのであろうが、だからこそ、より一層、地球の貴重さを感じられてならない。読んで楽しく、得る知識は多い。一級の科学書である!
環境 | 2014/10/05(日) 19:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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