![]() | ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記 (ハヤカワ文庫 FT ウ 4-1) (2008/03/07) ジョー ウォルトン 商品詳細を見る |
評価:☆
ドラゴンがいっぱい。そう。ドラゴンがいっぱい出てくる。むしろ、主要キャラクターはドラゴンしかいない。で、そのドラゴンが何をするかというと遺産相続争い。
裁判を起こしてみたり、階級ゆえに叶わぬ恋に焦ってみたり、結婚の持参金を気にしたりと、まったくもってどうでもいいことしかやってない。人間が主人公でもそんな下らない話に興味ないのに、そこにドラゴンを持ってこられると余計に腹が立つ。
だってさあ、ドラゴンなんだよ、ドラゴン。神話的な、畏敬と恐怖の対象たるドラゴンが書類の山を捌くところ、見たく無いでしょ?裁判で証人になるとかならないとか、興味ないでしょ?そうだよね?そうに決まった。だったらやっぱり血沸き肉踊るような冒険活劇を期待するしかないでしょう。剣と魔法(あんな程度の翼じゃ力学的に飛べないのは明らかなんだから魔力的に飛んでいるしかないじゃないか)の世界わくわくする世界。それがファンタジー好きな読者の求めているものなんだよ!!ファンタジー好きの求めるものじゃなくてお前の求めるものだろうという突っ込みは的を射すぎちゃってるので却下します。
あまりにも苦痛な内容だったため適当に飛ばし読み。読みきっても満足感なし。ストーリーはまあどうでも良いや。予定調和的にめでたしめでたしで終わるんだけど、一番嬉しかったのは読み終わったこと。外出先にもっていくものじゃないね。家にいたら1割も読まずに捨ててたよ。
こんな私にとって興味ないことしか書いてないと知っていれば絶対に手に取ることはなかった。そんなものにカネを払ってしまったことをとても後悔しています。カネは有限だし、本を読む時間も有限なので次はもっと楽しい本に巡り会いたい。
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![]() | 12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫) (2003/01) 貴子 潤一郎 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆
女神ファウゼルに仕える巫女。それがベロニカ。ベロニカに選ばれた女性は、以後眠りの中で人生を過ごさなければならない。ベロニカに就任する際、彼女は一人の男性を自らの護り手に任じることができる。ベロニカの騎士と呼ばれるその護り手はファウゼルの力によってベロニカが死ぬまでの間、不老不死の力を与えられる。
14歳の少女アマンダは、ファウゼルによって次期ベロニカに選ばれる。幼馴染のフレイルは、アマンダと交わした約束を守るために兵士となり、異例の出世によって騎士に任じられる。そして、遂にアマンダを護衛する13人の騎士にまで選出される。ベロニカの騎士は、この13人の中から選ばれるのだ。
彼らはトリゼアとの国境近いカウセージュで修養に励むアマンダをルグナスへつれてこなければならない。しかし、旅は順調にはいかなかった。宗教を同じとする隣国トリゼアが、ベロニカを奪わんと兵を差し向けたのである。
襲撃によって味方はほぼ壊滅し、隊長まで重傷を負う。全滅寸前まで追い詰められた彼らを救ったのは、ハキュリーと名乗る謎に包まれた隻腕の戦士だった。かくして、得体の知れない同行者を伴っての不安な旅は続く。
登場人物の行動パターンに関しては概ね紋切り型。登場人物の生き方・死に方が紋切り型ということは、ストーリーの運び方も必然的に紋切り型にならざるを得ないところが辛い。主要人物が出揃ったところで展開が全て読めてしまったのはマイナスポイント。
また、主人公とヒロインの掘り下げも浅い。主人公のフレイルと親友のライアン、謎の戦士ハキュリーの三人について、キャラを作るときに集中力が切れたか。ライアンの屈折した性格は上手く書けているように思うのだが、フレイルからは余り人間らしさを感じられない。ヒロインのアマンダに至っては大人しいだけの女の子で、この後眠り続けるだけの人生を歩まねばならないことへの葛藤すらほとんど表現されていない。これではただの人形だ。
また、世界観に関しての掘り下げは弱い。例えば、なぜ敵国との国境付近を少数の護衛だけで目的地まで送らなければならないのか。しかも、以前にも同様の状況で紛争があったことが示唆されているともなれば、どうしても設定が腑に落ちない。
そういう甘さはあると思う。しかし、最後の決戦のあたりの雰囲気は、やはり読ませるものがある。人物造形よりも、運命に導かれたかのような冒険のプロットを楽しむのが最適な読み方ではないかと思った。
以下、ネタバレ含むので気になる人だけ続きを見てください。
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![]() | 放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫) (2003/01) 茅田 砂胡 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆
今にも刺客の手にかかろうとしていた男は、奇妙な人物に命を救われる。
奇妙というのは、年端もいかない少女なのに剣の扱いに長け、人間離れした運動能力を持ちながら、地理や国際情勢といった常識すらない。それどころか、自分がどこに居るのかも分かっていない始末。おまけに自分は男だと言い張るのだ。
行く当ての無い少女は、男についていくことになる。
この男の名は、ウォル・グリーク・ロウ・デルフィン。その正体はデルフィニアの国王である(序盤で明らかになるのではあるが、念のため白黒反転で)。刺客に命を狙われていた理由もこの正体にある。
ウォルは艱難辛苦を乗り越えていくことができるのか。そして謎の少女の正体は。
と、盛り上げようとするのだけれども一巻だとどうにもキリが良いところで終わっているわけではないのでなんとも物足りなさが残る。四巻で一区切りらしいので、本来ならそこまで読んでから評価をするのが適切かもしれない。
ただ、どうにも作られた世界っぽさが出てしまっているのはマイナス。ウォルを取り巻く情勢もご都合主義的設定が散見されてしまう。キャラ造形ははっきりしているのだけれども終盤で出てくるおっさん以外にはあまり魅力を感じられない。
後書きで絶賛されているが、そこまでの高い評価はできかねる。
まあ、後書きは絶賛するためにあるものだが。
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![]() | 宇宙への秘密の鍵 (2008/02) ルーシー・ホーキング、スティーヴン・ホーキング 他 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆☆☆
まず、オンライン書店 BK1に深く感謝したい。本書が出版される前に見本を頂いた上、献本までして頂いた。初のことです。
肝心の内容に移る。
本書は車椅子の科学者として知られるスティーブン・ホーキングが娘と共に著した子供向けファンタジーである。
ある日、小学生の男の子、ジョージの飼っているブタが、隣の家に入り込んでしまった。隣の家は不思議なことに人が住んでいるのかいないのかも定かではない屋敷で、お父さんからもお母さんからも入っちゃ行けないと言われている。でも、ペットを見捨てるわけには行かない、と恐る恐る乗り込んだジョージは、そこでアニーという不思議な女の子と出会う。
アニーとジョージは、アニーの家のスーパーコンピューター、コスモスを使って宇宙への旅に出発するのだった。彗星に乗って太陽系を一回り。地上からでは、たとえ望遠鏡を使ったとしても覗き見ることのできない世界を駆け巡るうちに、ジョージは宇宙への関心が沸いてくる。
ところが、このスーパーコンピューターを狙う人物が現れる。ジョージやアニーはどうなるか。宇宙への秘密の鍵とは何か。宇宙を股に駆けた冒険が始まる。
冒険譚の部分はかなり正統的と言って良いだろう。すぐ側に異世界への扉がある、というのは珍しい設定では無い。面白くできるかどうかはそれこそ著者の腕次第というわけだ。
本書が成功しているのは、宇宙を研究することの面白さを子供たちに伝えようとするために、宇宙の不思議を説明しているところだろう。なにせ、著者は天才的科学者のスティーブン・ホーキング。宇宙の神秘的な姿を紹介するのにこれ以上の適役はいないだろう。この巻では基本的に太陽系の旅だが、興味を持ちやすいような話題がちりばめられていて、どんどん先を読みたくなる。
また、特筆すべきは図版の美しさ。ハッブル宇宙望遠鏡などで得られた最新の美しい画像の数々を眺めるだけでも楽しくなる。いつか息子に読ませるのが楽しみな、そんな本。続きを期待しよう。
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![]() | 宇宙が残した最後の謎 南山 宏 (2001/11) 廣済堂出版 この商品の詳細を見る |
評価:☆☆☆☆
この宇宙論チックなタイトルに騙されちゃあいけません。れっきとしたオカルト本です。それを分かって読むにはとても楽しい本なのは間違いがなかったりするのだけど、それはちょっと前に流行ったオカルトネタを網羅しているから。
実に勉強熱心に、東西のオカルトに首を突っ込んではそれを紹介してくれているわけで、信じずに読むなら世界中に変わった人がいるのであるなぁということを教えてくれる貴重な書ともなりうるのだ。
上記の通り大変な魅力に溢れた本書の目次を見てみよう。
20世紀最大の謎が解けた!!
最新『UFOタイムスペースシップ』仮説
インド・ラーマ超文明と太古核戦争ミステリー
地球と宇宙を結ぶ謎の幾何学パターン
UFOの不思議な行動は、UFOをタイムスペースシップと仮定すると全て解ける!というのはスゴイ着眼点に違いない。どれほどスゴイかと言うと、今までの謎が全部解けてしまうくらいスゴイのである。多分、解けないのはUFOに遭遇する人はなぜ悉く絵が下手なのかということくらいだろう。
でも、タイムスペースシップなんて誰も見たことないのに、それを持ち出したら全てが解ける、というのはちょっとアレなんじゃないかなあ。
次もスゴイ。といっても、これはオカルト観察好きには知られた説なのだけど、ラーマーヤナとかマハーバーラタには古代の核戦争の模様が描かれている!な、なんだってー!!という代物。
空を翔るヴィマーナ、一帯を焼き尽くす余りの威力に神々すら恐れたという超兵器。見え隠れするジェームズ・チャーチワードの影。俺たちは、なにもかも、遅すぎたんだということを悟らされてしまう。
問題は、該当する古代の文明がレンガ造りの文明しか持ってないってことなんだよね。たとえば、指数対数微分積分はできるのに一桁の足し算ができない文明が荒唐無稽なように、核兵器を作り、制御するには大変な文明の発展が必要。ところが、そのようなものは一切発見されていない。金属の集積や精錬も見られず、制御に必要な計器類についてもまた同様なのである。それなのに、太古の文献には核兵器と思ってもそんなにすごく外れるわけじゃない記述があるから太古の時代に核兵器があったとはできない。
地球と宇宙を結ぶ幾何学模様というのはストーンヘンジを含む周辺の遺跡が一つの直線状に乗るとか、ミステリー・サークル(出た!)やらキャトルミューティレーション(出た!!)やらが出現する地点が地球物理的に明らかになるという章。
これはもう大変な騒ぎで、これが本当ならスピリチュアルな占い師に我が家も地脈が悪くないか見てもらわねばなるまい。もしかしたらそれで私の頭が悪い説明が付くかもしれない。なので、私が頭の悪いことを言っても私のせいではありません。地脈が悪いんです。あるいは宇宙人が私を攫って脳をいじってしまったんです。なんて書くと本当に頭の悪いヒトみたいで大分アレだ。
さて、この章において日本の古代文明を記したというカタカムナ文献を著者は擁護する。この一般に知られていない文献を世に知らしめたのは楢崎皐月(ならさき・こうげつ)なるこれまた一般に知られていない人物。wikipediaによると、円と直線からなる文字を5年がかりで解読したというのだが、これは不可解に過ぎる。というより、確実に不可能だ。
一度喪われた文字の解読は極めて困難で、何人もの専門家が取り組んでも解読の端緒すら掴めないものばかりなのである。ロンゴロンゴは未だに解読されていない。
いや、ヒエログリフはどうしたとの突込みがあるかもしれない。そこで『ロゼッタストーン解読』から天才・シャンポリオンがいかにして解読を成し遂げたか、核心部を引こう。
シャンポリオンの偉業を生んだ最後の要因は、たくさんの資料を利用できたことだった。(略)
(略)そこ(パリ;引用者注)にはナポレオンの遠征によってエジプトから持ち帰られたばかりの、まだ手つかずの興味ある資料が大量にあり、また、図書館にはナポレオン軍がヨーロッパ中から略奪した貴重な書物や手稿があふれていた。
これらを利用できたからこそシャンポリオンは解読にたどり着くことが可能だった。これに加え、ロゼッタストーンという解読に絶大な力を与えた遺物の存在を忘れてはならない。そこには既知の文字とヒエログリフとが、同じ文章で載っているという奇跡があった。
これほどの僥倖を得ても、1807年には手をつけていた解読作業の報告がなされたのは1822年だった。想像しうる限りの幸運と、天才的なセンス、先人たちの業績が結びついても10年以上を要するとんでもない作業こそ、言語の復活に必要なことである。従って、たかだが数年で未知の文字で書かれた文献を翻訳したなどという戯言に付き合うのは時間の無駄である。
そのようなものの一つがこの『カタカムナ』であり、ムー大陸の存在を記した古文書である。そもそもムーを主張したチャーチワードは、該当する古文書すら示していない。最も、チャーチワードの場合、元イギリス陸軍大佐を名乗っていはいたがイギリス陸軍にそのような者が存在しなかったことが明らかになっているわけで、まずは自分の身分から示すべきかも知れない。
とにかく、こんなノリでオカルトネタがごった煮にされていて胃もたれする程なので、寝る前にクスリと笑うために使うというのが正しい読み方。用量、用法をお確かめの上、オカルトを外から眺めるのが好きな方の助言を仰いだ上でご覧ください。
個人的には楽しかったけど知っているネタが多すぎたのが残念。なんでそんなの知ってるんだという突っ込みは無しの方向で。
ちなみにこれにて目標とする1000冊から見て4割達成。この手の本を交えてこそ無秩序なブログだと思っていただけると嬉しい。
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